総務省、携帯違約金1,000円の衝撃

総務省が携帯業界に対して、現在9,000円前後の違約金を1,000円以下とすること、また端末値引きの上限を2万円とすること等を通信会社に要求する報道があった。国の施策はこれまで「2年縛り」「4年縛り」の禁止など遠回しな要求ばかりで世論の批判を買っていたが、まさに令和の時代にふさわしい規制で今回は世論の受けも良いようだ。総務省はこれまで「民間の施策だから」などとして基本的に施策に対して口を出すことはなく、0円禁止などはあったものの大きな規制は実施してこなかったが、通信会社が儲け優先に走っている現状が改善されないため儲けに関わる本質的な部分を要求したという事だ。また、総務省は電波を所管しているので意に沿わない通信会社は電波停止を命ずることができ新規帯域の認可にも影響が出てくる可能性もある。その点では通信会社は言うことを聞かないと電波が取られるという危機感があり、言う事を聞くしかないのが現状なのだ。

違約金に関しては通信会社は事務手数料などと主張するが根拠が薄いのが現状で、単純にこれも一種の縛り、他社に行かせないようにする心理的な策略が見え隠れする。とても9,000円分の作業をしているとは考えづらく、総務省側も消費者にアンケートを取って1,000円が妥当という結果が多数を占めたので1,000円と、思いつきではなく根拠があると説明している。

一方の端末値引き2万円上限という件だが、スマホの普及によって10万円を優に超える端末がバンバンと出てくるようになった。しかし10万円を普通に請求しては買ってくれないので、通信料や違約金などを原資としてそれが端末に投入されて「乗り換え1円」「2年継続でタダ」などと一部に過度な値引きが見られ、金のある大手キャリアだけがより契約を獲得できる現状になっていて、これは好ましい健全な競争環境とは言えない。販売価格が高くなればなるほど通信会社は儲かるわけであるが、しかし昨今は、消費者のニーズを大幅に超える高スペックすぎる端末も出てきているケースが多く、これがスマホの高価格化を招いているのではないかという指摘もある。綺麗な画面は重要であるが、インカメラが2つも3つも必要か?アウトカメラも3つも4つも必要か?という事である。CPUも半期ごとに新開発のチップを搭載してそのたびに処理性能が何%アップ!等と言っているが、黎明期であればともかく、成熟している今において1年前のチップでもゲーム等をしなければ十分生かすことができるはずだ。もちろん消費者のニーズに合わせてスペックの高いモデルも用意すれば良いと思うが、チップメーカーに通信会社が金を出して開発支援する必要は無い。本来アンドロイドは、OSの価格が無料でオープンソースなのでガラケーに比べて端末の価格が安くなると通信会社も明言していたはずだ。それなのにガラケーの倍近い値段になっている理由は、スマホが売れなくなって価格に転嫁せざるを得ないこと、スペックが異常に高いこと、OSはタダでもキャリアの付随アプリの下請けに必要がかかっている、耐久性がなくすぐ壊れるので修理が多い、等が言えるだろう。サポートの窓口となるリアル店舗も、平日は12-20時、休日は10-18時などと営業時間を短縮して人件費を縮小し、販促も控えるなど、本社とそれにかかる費用を最小限に縮小し、消費者負担を軽減する必要がある。適正な端末価格で販売しないと仮にスペックの高いスマホだったとしてもホコリを被ってしまう事になりかねない。国は競争を加速するために今回の施策を発表したようだが、それは「旧来のガラパゴス的考えから脱却しなさいよ」という事でもある。キャリアが根本的に考えを改めないと、またガラパゴス路線に走ってしまい世界の潮流に乗り遅れてしまうのは言うまでもない。