セブンは真似できない?! 沖縄ファミマの独創的経営8つ

セブンの沖縄進出がニュースになっているが、注目すべきはそれを迎え撃つ沖縄ファミマの独創的経営だ。澤田社長も「経営のゴールは沖縄ファミマだ」とする経営とはどのようなものなのだろうか。沖縄ファミマ自体は地元でデパートや不動産賃貸などを主な事業とするリウボウグループが51%出資、ファミマが49%出資する合弁会社となっている。実際セブンの沖縄進出は5年前から話が具体化していた事であり過去の報道でも「来るなら早く来てほしい」「それぞれの地域で勝てばセブンに勝てるという事だ」とあったが以下の取り組みを見ればセブンもその中に食い込んでいくのは難しいといえるだろう。
1.社員の9割は沖縄出身
コンビニ本部と言えば東京で一括新卒採用して全国の営業所に送り込む方式が主流であるが、これだと地域の事を知らない人が担当になるわけで本当の意味での地域密着にはならない。5年程度経ったらコロコロ転勤するようなシステムや、長時間長距離運転するのが仕事になっているようでは意味が無い。沖縄ファミマは沖縄出身の社員が9割であるので地域のために地域が求める商品サービスを迅速に開発、商品化する事が可能だ。
2.独自路線を突っ走る
従来は東京本社の施策を取り入れていただけだったが、売上が全然上がらなかったという過去を反省し地域密着、地元主義の経営に転換した所、売上が上がったという。具体的には東京のコンサートの案内をしても沖縄県民は東京に滅多に行かない、という事である。地理特性が本土とは異なるのだから本土のキャンペーンを取り入れるのはナンセンスという事だ。システムや決済方法、レジやコーヒーマシン等の機械類は東京のものを使いつつも、販促キャンペーンの多くは沖縄で考えられた地産地消である。コーヒーマシンも「ALL By MySelf」として先にコーヒーを作ってレジで会計するシステムとなっている。一部店舗では宮古や石垣の方言でATMがしゃべるようになっている。地域密着の典型例だろう。
3.骨ありチキンは沖縄で開発された
チキン自体コンビニになかった時代、沖縄ファミマが骨ありチキンを開発・販売し東京の本社が「なぜこんなに売れているんだ」となり全国で骨なしチキンを発売、他のチェーンにも波及した経緯がある。本土では骨ありはクリスマスの時ぐらいしか売れず普段は骨なしが売れているが、沖縄では骨ありが年中売れていてそれは「フラチキ先輩」という独自キャラクターの設定からも垣間見る事ができる。
4.地元アーティストとの連携
MONGOL800やBEGINなど地元アーティストと連携して曲を発表するなどコンビニの枠を超えて沖縄の行政にも認められている存在である。
5.地元企業との連携
琉球ゴールデンキングスや琉球新麺など地元企業や地元の名店などと連携したメニューを多く発表している。
6.独創的なCM
澤田社長の就任後、CMもテコ入れが行われ沖縄の方言を利用したCMに変わっている。沖縄の方言を知らない人は聞き取れないが、これこそが沖縄のよさであり隠す必要は無いという判断なのだろう。どう変わってきたかは公式youtubeを見ると明らかで、昔は純粋に商品が美味しいとか生まれ変わりましたなどを放映していたようであるが「CMは面白くないと意味が無い。つまらないCMはやめろ」という澤田社長の方針に由来しているようである。「ファミンチュ」で始まり「トリジョーグッド」で締めくくられるCMは本土ではまず見られない内容だ。独創性を追求するなら全てにおいて徹底的に独創性を追求しろという号令が出たに違いない。外国人の応募を増やすために外国人向けに外国語で呼びかけるCMもある。
7.結プロジェクト
国道508号線は実在しないが、沖縄県民の心によって繋がれるという架空の道である。久米島や宮古や石垣など離島にも店がある利点を生かし「沖縄は、家族。」をテーマに2012年から開始され今も沖縄各地を回って県民が歌って踊る動画が定期的にアップされている。コメントでも「沖縄の人は踊りが自然」などとあるようにコンビニの枠を超えて地域貢献も果たしているのが沖縄ファミマと言えるだろう。
8.ファミンチュアプリ
行動計画の策定やセブン進出が確定した今年4月には「加盟店支援策」を発表しスタッフ募集のテレビCM投下、加盟店スタッフ限定で飲食店等の割引が受けられるファミンチュアプリを稼働開始している。トレーニング時間短縮の為VRでレジトレーニングできる機能も開発しているようだ。

このような独創的な経営は2000年度から始めているようで19年のキャリア、創立から数えると30年近く経つ。そこに黒船が来て業界の勢力図は塗り変わるのだろうか。少なくとも地域密着の攻める経営ができないと勢力図を塗り替えるまでの規模に拡大するのは難しいだろう。