売上から廃棄が引かれる?誰も知らないコンビニ会計の罠

日々の店舗運営でコンビニ会計など考える暇がなく、あるいはこれが普通だと思い込んでいて異常性に気づいている人は99%いないと思われるが、ちょっと頭の良い人だとふと思いつくことがある。

「本部は粗利からチャージを取る、でもなぜそこから廃棄原価が引かれるのか?」ということだ。過去にニュース報道で「廃棄のお金の出所はどこ?」と話しているオーナーもいたが、仕入から廃棄を引く、あるいは売上から明らかに運営費である人件費を引くのは分かるが売上から明らかに運営費ではない廃棄を引くのは理解できない。コンビニ会計の概要はこちらをご覧頂くとして、本部に廃棄チャージなどの話をすると「チャージは売れた分しか取っていません」と言ってくるが、確かにそれはそうだがこの方式を採用すると捨てたゴミにも金がかかっているという事になり、本部が作成する帳簿上は店の利益を少なく見せかけることができる。税理士や会計士が首をかしげるのも理解できるだろう。
例えば一般家庭で「レタスを100円で買ってきました。でもずっと冷蔵庫にあって結局捨てました」となっても捨てたからといってまた100円を払うことはなくお金の持ち出しは最初の100円だけのはずだ。ただそうではないというのがコンビニ会計なのだ。

店の利益を少なく見せかけることができると言うことは、すなわちオーナーの収入も少なくなるのも当然だ。店主引出金や配分金など細かい定義は別にして、ザックリ言うと原価で月30万の廃棄を出していたらその分手取りが減るのは間違いない。大手チェーンのコンビニは一日35万円は売らないと赤字などと言われるが、ヤマザキショップやセイコーマートは20万円程度でも全然営業できている。すなわちこのような摩訶不思議な会計システム、計算システムによって「本部だけが儲かる」というのは極論だがそれに近いような状態、厳密に言えば高い売上を出さないとオーナーにお金が落ちないようなシステム、低い売上の店は撤退を促すシステムになっているという事だ。売れればチャージ、売れなければチャージから原価として引かれる、もっと言えば売れても売れなくても本部は関係無い、本部は儲かるという事なのだ。オーナーは少しでも手取りを増やすために廃棄を減らそうとするが廃棄を減らすと本部の圧力が強まり、契約更新に関わり、客数も減って売上も落ちるため思い切った事はしてこないだろうというのを逆手にとってこういうシステムにしている可能性がある。そうすると削れるのは人件費だけとなり、オーナーがシフトインするか従業員を最低賃金で雇う、法違反してでも自らの利益を優先する事があったとしてもおかしくはない。しかし最低賃金では募集が来ずオーナーがシフトイン、結果体調を崩したり精神に支障を来すことになれば店の経営にも支障が出る。人件費の面でも最低賃金の上昇、社保の加入者拡大、有給義務化などによって徐々に外堀を埋められつつあるが、仮に経営が立ちゆかなくなり閉店になったとしても本部は違う相手を見つければまた開店できるので痛くもかゆくもないのが現状だ。

このシステムを承知で加盟した、そういうシステムだから仕方がない、違法ではないから問題ない、民対民の契約だという人もいるかもしれないが、翌日の発注数などを決めるためにレジで廃棄を入力することはあっても、それが粗利から引かれるというシステムは一般的な感覚を持つ人からすると理解できない。国はフードロスの問題の延長線として、売上から廃棄を引く事を法律で禁止するようにすればよいのではないだろうか。