コンビニが法律違反の経営を続ける理由

どこにでもあるコンビニだが、それらのコンビニの多くの実態は、個人経営の商店そのものである。大企業の看板を付けて客を呼び寄せているが、ふたを開ければどこにでもいる普通の脱サラした人が「店長」となってお店を運営しているだけである。店によっては店長やオーナーは一切店に出ず、24時間バイトで回しているような店もあるが、基本的に専従者二名が開店の条件だ。このような構造のため赤の他人を雇うことがどれだけ大事かという意識がなく、家族感覚で気軽に働かせている側面がある。以前問題になった罰金問題だけでなく、一日単位での勤務時刻の端数カット、休憩時間を労基法未満で運用、外国人を週28時間を超えて雇用、労災や雇用保険に加入していない、週30時間以上働く従業員が5人以上いると社保の強制加入事業所になるが「パート・バイトだから、500人以下だから、個人事業主だから」などという言い訳を一方的に並べて社保に加入させない、有休を取らせない、給与明細を渡さない、退職を申し出たら拒否、休み希望を拒否、有給義務化を従業員に通知しないなどが当たり前の光景になっている。東京都で95%のコンビニが労基法違反という報道も以前あったが、オーナーが法律を都合よく解釈している側面を考えれば納得のいく数字だ。

本部は加盟する時に「私たちにお任せ下さい」と言ってくるが、その本部は開店まではサポートするが、開店したら何も教えてくれない。労務事務所を紹介するのでそこと契約して下さい、で終わりだ。お店と本部とのパイプ役はSVであるが、SVもただのサラリーマンであり雇われ側なので労働法規やそれらの取扱は知らないことが多い。オーナー・店長、SV、この二人が知らないだけではなく本来教えるべき、指導すべき存在であるSVも無知だというのは大きな問題である。下手すれば経験5年のアルバイトの方が詳しいこともある。オーナー側も加盟時に労働法規等について研修の機会はあるが、それっきりである。特に30年前などにオーナーになった人は最近の法律の改正を知らないことも多く、平気で「有給休暇などありません」「コンビニは社保の対象外」と答える人もいるようである。
本部も店を増やすためには店長審査に合格した人間を育成する必要があるが、最近はオーナー・店長の新規希望者が少ないのが現状で、基準を緩くして来た人は全員合格、レベルの低い人も合格にさせているのが実態だ。手取り足取り教えます、という名目でコンビニなど全くやったことのない一般人の素人を連れてきてレジなどの基本操作を教えて店長のライセンスを乱発している訳で、レジでエラーを出すような未経験者に労働法規や経営の仕方などを教えても理解してくれない、教える時間がないのが本音だろう。結果、レジ・精算・発注はできるが労働法、労基法は分からない、経営も分からないという本部に従うだけのオーナーが量産されてしまうのである。これでは問題が起きた時に対処できないし、問題が起きたら本部に聞くでは手遅れなのだ。労働法に無知なコンビニが量産されている問題は今すぐにでも是正する必要がある。

とにかく法律違反の状況で得た利益は利益とは言えないし、法律を守って運営できない店は廃業すべきで行政や労基もしっかりメスを入れ取り締まりする事が重要だ。本部も店長研修のカリキュラムを見直し、レジや精算以前に労働法規をしっかり学習させる(選択式のテストを課して不合格者は先に進めない)、全店に文書で労働法規を配布する、店長ライセンスを5年の更新制にして定期的に講習を受けさせる、など時代に合わせた内容に変えていく必要があるだろう。