セブン、見切り容認へ 自動値引しポイント還元

セブンイレブンが今年の秋から消費期限の3~4時間前にレジで自動で値引きするシステムを全店に導入するという報道があった。対象はおにぎりや弁当などといった中食500品目で、客は定価で購入するが値引分5%は本部負担でnanacoのポイント還元にする仕組みだ。これは本日朝6時時点では他ではまだ報道されておらず、読売新聞の一面にのみ掲載されている報道だ。

これにはいくつかの狙いがある。まず一つ目は株価対策である。
セブンイレブンの株は5,100円を付けていた時と比べると3,700円前後で推移しており1,400円も低下している。時価総額ベースで言うと1.24兆ぐらいが吹っ飛んでいる計算だ。10年後に紙袋にする発表も逆効果で5/14に年初来安値を再び更新するなど毎日のように下がっており、さすがに会社としても無視できないレベルになってきたので、株主に納得頂ける施策を急いで発表しないと株主総会が大変な事になると考えたのだろう。

二つ目は世論の批判をかわす狙いだ。コンビニは定価販売によってそのブランドを維持し大量廃棄・大量発注を繰り返す事で本部は儲かるというのが販売手法の基本で、廃棄は原則店の負担だ。その穴をかいくぐる値引き、見切り販売は本部は推奨しないという立場である。やった店には「運営継続が困難と危惧しております」「契約更新が難しくなるかもしれませんね」などと脅して本部の方針を徹底してきた。それでもやっている店はクビ覚悟、逆に言えばほとんどは契約解除されたくないから方針を守っているのが実態で、見切りをやっている店は全体の1%以下と言われている。しかし、今回の値引は店負担ではなく本部負担で行い、さらにレジのソフトを更新して全店に適用するという。そうなれば今までの本部社員がやってきた個店対応で脅す術は使えなくなる。報道で誤解をしている人が多いので追記するが、”3~4時間前の5%”が本部負担であって、それでも売れずに消費期限2時間前に撤去した商品の原価は変わらず全額加盟店負担である。全てが本部負担に変わったわけではない。

最近セブン内でも「廃棄を増やす」「棚を常に満杯」という指導から「廃棄を減らす」「売り切る」指導に変わってきたという内部情報もあり、今までの大量発注を是とする指導、廃棄を増やす指導は世論とは真逆の方向を行っていた事にようやく気づいたようである。幼い頃に習ったご飯を大事にする事を無視する運営、貧困の国々にとって期限切れでもまだ食べられる物を平気で捨てている実態はフードロスの問題として大きく取り沙汰されている。この施策によって本部の負担が増えるだけでなく店員が値引きシールを貼るのであれば店員の仕事も増えることにもなるが、その点はどう考えているのだろうか。あくまでポイント還元の形にしているのは早急に導入するため、返品返金のシステム面やトラブル・クレーム面も含めた客の混乱を防ぐため、他チェーンや他商品への影響を最小限に抑えるためだと思われるが、ネットでは「たった5%?スーパーは30%だぞ」という声や、高額法外チャージや時短営業への批判の目くらましではないか、本質的な解決策ではない、世論の批判の高まりを受けたら方針転換する手の平返しは頂けないという声もある。この施策が他のチェーンにも広まりを見せるのか今後の動向を見守る必要があるだろう。