ファミマ店員家電6割引報道 現場が欲しいのは物ではなく賃金!

コンビニの人手不足問題がさらに顕在化している。特に深夜の人手不足はどこも顕著で、時給をかなり引き上げて募集している店舗が目立つ。最低賃金の上がり率は毎年3%程度だが、それを上回る毎年10%ベースで上がっているように感じる。今時給1,000円だとしたら5年後には1,610円になっているという計算だ。

さてこのような人手不足対策に一石を投じるべく、ファミマはアイリスオーヤマ商品を最大6割引で購入できる福利厚生制度を発表した。アルバイトやパートのみならず店長も購入できる。仕組みとしては店長がバイトの要望をとりまとめて店舗のコンピュータで発注し、店に届き、各自持ち帰るという仕組みだ。これは店の売上になるということで「ノルマを課せられるのでは」「オーナーから搾取できなくなったから店員から搾取する仕組みよく思いついたな」「最大であって全品ではない」「転売して荒稼ぎできそう」などコメントが見られるが、マスコミに改革を宣伝する上では安い施策なのかもしれない。
ローソンも同様にDVDや書籍等のチケットを安く購入できるようにしているとのことだが、これらは実は小手先の対策で人手不足の抜本解消にはならない。

福利厚生でつなぎ止めるよりも現場が求めているものは、そもそもコンビニの仕事量が多すぎるのでそれを減らす(中華まんやおでんなどの商材廃止)、会社扱いの自動車任意保険に入れるようにするとか、社保の本部全額負担、本部が週30時間以上労働している人にはボーナスを支払うなど、金銭面での手当である。しかしコンビニ本部は人件費に対して絶対に手を付けない。これはフランチャイズ契約の「独立性」という建前に基づいていてそれぞれが独立事業主なので金銭は各自で管理して下さいよといいつつも、不正の抜け穴を増やしたくないのが本音だ。セブンのチャージ減もあくまでチャージ減であって「何に使うかはオーナー裁量」ということになっている。人件費の手当をしたという発表にはなっていない。
よくこのニュースになると「物配るより賃金上げろ」と言われるが、賃金は独立性の観点から各店のオーナーや店長が決めており本部は一切タッチせず支払いも店が行っている。なので店次第であり、5年以上経験しているようなベテランには他業種と同じぐらいの給与を払う太っ腹の店もある。とはいえ業界全体でまだまだ最低賃金に張り付いているような状態では人手不足は永遠に解消しないので、本部が音頭を取って廃棄を減らしてオーナー利益を守る指導、「○○県はいくらにしましょうね」などと推奨時給を発表すべきだろう。
人件費について手当することはこれまでタブー、聖域とされてきたが、人口減少・消費増税・タバコ増税・最賃上昇・社保加入者拡大などコンビニの外堀を政府によって埋められつつある現状、本部もタブーなどと言わず聖域に速やかに踏み込む必要があるだろう。