商用車の完成度は?! ホンダ 新型N-VAN(エヌバン)早速試乗してみた

N-BOXの貨物系列であるN-VANが発売され、販売店で試乗してみました。
まだ情報が少なく展示を見た人は多いと思いますが、試乗までした人は少ないのが現状です。

車検は乗用車より頻度は増えますが、自動車税が貨物扱いで安くなるのは魅力ですね。
30分ほどの試乗でしたがLセンシングに試乗し、写真を撮らせて頂きました。

○外観

外見はこのようになっており、N-BOXをベースに削れる所は削ったという印象です。
N-BOXでは標準となっているエンブレムのロゴも、N-VANではシールになっています。
グレードによるのかもしれませんが、今回のグレードは後席ガラスはプライバシーガラスになっていて中身が見えづらい構造です。

○トランク周り

N-BOXとの違いは、後席と運転席の間のピラーがないことです。
トランクのゲートはかなり大きな設計になっており、お年寄りだと開けるのに一苦労するかもしれません。
トランクから段差なく物が積めたり、トランクにシガーソケットが用意されているあたりはさすがです。
助手席は倒すことができ、助手席を倒すと2.6m前後の巨大空間が出現します。
車検証の収納は運転席の後ろのポケットにあるようです。

○ハンドル周り


内装は家庭用と比べると全体的に安っぽさを感じますが、貨物用なのでそんなものでしょう。
エアコンはオートエアコンですが、温度表示部は電卓に使われるような最も安い液晶を使っています。
左はハンズフリー関係のボタン、右はホンダセンシング関係のボタンです。
車両設定などができるようなボタンは特に見当たりませんでした。
メーターを点灯させるとこのようになりました。お年寄りによる運転を想定し速度の数字を大きく表示し、ガソリンの量も見やすくなっています。タコメーターもついています。また右にはホンダセンシング等の情報を表示する液晶もあります。


パワーウインドウは前席のみ使えるようです。

 
室内灯はグレードによりますが、室内に3つありました。サイドブレーキは足踏み式で左のかなり奥まった所にあります。
運転席の日よけの鏡はオプション扱いとなります。鍵も上位の+STYLEにしなければ普通の差し込み式となります。お年寄りは下手なスイッチよりもキーを差し込んだ方がいいという人が多いと思います。

○走行感など
走行感は主観になるので述べにくい所ではありますが、N-BOXに比べると騒音と揺れが多い印象を受けます。基本的な曲がる・止まるの動作に関してはN-BOXと同様でした。運転席に比べて助手席は固いのでよく乗り比べてみて下さい。助手席の前後調整や高さ調整はできないので身長170cm以上の人は窮屈に感じるでしょう。とはいえ他社の一般的な軽トラに比べると隔世の上質感を感じます。

○お値段は?
気になるお値段ですが、車体本体Gセンシングで1,267,920円、Lセンシングで1,341,360円です。もしかしたら値引き頑張ってくれたら一括で買えるかもという戦略的な価格設定になっています。+STYLEは残クレは使えますが、それ以下のグレードは使えないので通常のクレジットとなります。試しに見積もりサイトで諸費用込みで見積もりした所、Gセンシングで月23,000円、Lセンシングで24,400円です。60回払いでこの値段ですので、最長84回まで組めますので84回で組むとボーナス払いなしで月17,000円から持てます。
私は+STYLE FANが気に入ったので84回で出してみた所ボーナス払いなしで月21,400円でした。

○こんな人にオススメ!
・N-BOXは高い
多くのサイトでも値段が×などと酷評されますが、ほとんど自分しか乗らず、後席をゴミ箱()にしたい人にも便利。
そういえば後席に人なんて乗せたことないなと言う人、一考の余地有りです。
・意外と学生にもお勧め
大学生はサークル等に所属すると大きな物や飲料等を運ぶことが多いです。友人とキャンプやBBQということも多いでしょう。
そして収入もないので高い車は買えません。学生の間だけの車ということで+STYLEにするのもアリかもしれません。
・軽トラでも安全装備は欲しい
なんちゃらアシストとは機能で比較になりません。普通車にも搭載される完璧かつ本格派の安全装備を軽にも搭載です。
もともとセンシングはレジェンドなど高級車から降りてきた技術なので信頼できますね。
・市内しか走らない
日々の仕事の通勤でも軽が多いような街ならば目立つこともないでしょう。
・軽トラでもおしゃれがしたい
LEDライト搭載モデルの+STYLEがお勧めです。

完全な商用ユースではなくN-BOX等一般ユーザーの乗り換えも視野に入れた設計になっています。後席が~というレビューがありますが、本来商用車において後席は荷物を積むスペースですから後席があるだけでも立派なものでしょう。そこに触れることは乗用車との比較になってしまいます。他社の軽トラでも自動ブレーキの搭載は進んでいますが、N-VANはそれを上回る車線維持機能や定速走行機能もついた「ホンダセンシング」が入っておりこの点では他社を圧倒します。果たしてN-VANは成功するのでしょうか。ダイハツやスズキなど他社からニーズを奪うためにも工業等の現場従事者の意見をもっと取り入れてブラッシュアップしてもらいたいと思います。