激安TLC SSDは書き込むと遅くなる罠

今SSDの価格破壊が起きている。中国等のメーカーは大手より3割近く安く売られており量販店のチラシに載ることも増えてきた。
このようなSSDが市場活性化になっているのは間違いないが、怪しいショップで売られていることも多く知らないうちに買ってしまうケースもあるかもしれない。そのような製品は下手するとHDDより書き込みが遅い場合があるので注意が必要だ。

SLC、MLC、TLCについて誤った解説をしているサイトも多いので、正しい知識を得て欲しい。

まず一つのセルに一つの電荷を記録するのがSLCだ。
続いて、MLCはMulti Level Cellであるので、マルチ、つまり数の表記はない。理論上2でも3でも4でもいいということになる。サムスンはこれを利用し、MLC ○bitなどと表記している。ほとんどのメーカーはMLC=2bitと解釈している。
TLCは、一つのセルに三つの電荷を記録する。
よって性能や信頼性でいえばSLC>MLC>TLCであるが、実際にどうなのかについてはそれぞれのディスクのスペック表を見なければ分からない。必ずしもこの公式が当てはまるとは限らない。

前提知識としてもう一つ覚えて頂きたいのが、フラッシュメモリは書き込みが苦手なこと。

読み込みは単純に走査して調べるだけなので簡単だが、書き込みはブロック単位でありビット毎に書き換えができないので時間がかかる。
削除はページより単位の大きいブロック単位となる。そのため一旦消す操作をしてから、消しすぎたデータは書き戻す動作が必要になる。
このような理由によりフラッシュメモリは書き込みが苦手なことを頭に入れておいて頂きたい。

さて、TLCを製造するメーカーは、OSを入れていない状況で速度を計測して「シーケンシャル500MB/sを達成!!」などと謳っているが、OS等のデータを入れると極端に書き込み速度が低下する。これはTLCの極端な書き込み速度の低下を、内部でキャッシュを持って補っているからである。
内部キャッシュといっても当然自分を自分として使うので、既に入れているデータが多ければ多いほど速度が遅くなる。よって空の時が一番速くカタログ値通り出るということであるが、空のストレージはストレージとして意味が無い。大手メーカーは自分のディスクをキャッシュにするほかにも追加の隠し領域やDRAMを備えていてOSを入れても速度が下がらないように工夫している。一方格安メーカーはそれらの工夫をしていないので、ダイレクトに書き込み速度が下がる。
格安メーカーに仕組みを問い合わせた所、以下のように返ってきたのでこの仕組みは事実であると言える。

TLC NANDは素の書き込み速度は遅く、NANDの一部を高速に使用するSLCキャッシュという機能で高速化を図っています。
SLCキャッシュが溢れる容量のファイルを書き込むと速度が低下します。
SLCキャッシュの動作は書き込むファイルサイズとディスクの空き容量に影響されます。
○○のSSDはディスクの空き容量が十分(半分程度)あるときはSLCキャッシュが溢れることなく、
書き込み速度が低下しない仕様になっていますので、ディスクが空の状態での速度をご確認ください。
ディスクが空の状態で極端な速度低下がないようであれば製品異常ではございません。
空の状態でも同様であれば製品異常の可能性がございますので、販売店様に初期不良交換対応をご依頼ください。

SSDは少し高くてもきちんとした大手メーカーの製品を買うことが望ましい。安かろう悪かろう、まさにその通りだ。
聞いたことないメーカーの激安TLC SSDは買わないのが一番だ。

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