AKBで消えたヤスタカ節

天皇陛下生前退位に続き、SMAPがいよいよ解散という2016年は文春が世の中を変えたような激変の年のような気がしますが、
AKBにも負けず対抗してきたアーティストがいます。Perfumeです。

プロデューサーである中田ヤスタカ氏は、AKB世代に売り込むためにAKBとほぼ同時期にきゃりーぱみゅぱみゅを売り出し、若者の間で一世を風靡しました。おそらくPerfumeでは歌えないようなゆるふわな曲をガス抜きとして提供していると思われます。最新曲は「最&高」で久しぶりのヒットです。

Perfumeは歌いづらい、歌詞が意味不明などという方もいますが、文字がリズムに乗っていれば歌になるわけですから、その定義は人それぞれでいいと思います。
歌詞はともかく、曲のリズムだけで割り切って考えると、すごく楽しめます。
また、ヤスタカ氏は「声も楽曲の一部」と捉え、Perfumeらの声にエフェクトをかけ、どのライブで歌っても曲の雰囲気が変わらないようにしています。
歌わなくていい分、きついダンスや本人への特殊効果など、凝ったPVを作らせます。
AKBやその他のアーティストに囲まれてどのように曲調が変わってきたか、5曲をピックアップして解説したいと思います。

エレクトロワールド(2006年)
色あせない、現代でも通用する曲です。
「キミの存在さえリアリティがない」つまりテクノロジーの進歩で人間が埋もれてはいないか?という事を問いかけています。
「もうすぐ消える」完全に機械に人間が支配される、今も自動運転という話がありますが、テクノロジーが進歩すると我々人間は必要ないんじゃないか。
危険だ、という考えが込められていそうです。

ポリリズム(2007年)
「ポリリズム」とは音楽用語そのものですが、レコード会社や所属事務所は音飛びの原因などとし反対。
ヤスタカ氏が上層部に直訴、反対を押し切ってまでリリースしました。プラスチック等の資源が擬人化されています。
暗に「資源を大事にしようね」ということを遠回しに語りかけています。
ACジャパンのエコのCMで全国放映。ほぼポリリズムしかない歌詞や、独特なリズムが評価され、大ヒット。Perfume全国進出の道に進むことになります。

plastic smile(2008年)
2008年当時Perfumeは19歳なのですが、今リリースすればTwitterで炎上しかねないレベルの曲です。

*AKBがヒット(2010年)*
AKBがヒットして以降、ヤスタカ氏の刺激的な歌詞が控えめになります。

Spring Of Life(2012年)
この5年間は低空飛行をしていましたが、このあたりで以前の曲調が復活。PVにもあるように
縛られていた何かが解き離れたかのような歌詞となっています。

FLASH(2016年)
Adobeのflashが絶滅し、AKBも下火になったタイミングでのこのflash。映画タイアップ曲ですので若干映画の雰囲気となっていますが、
Perfumeらしさを残しながらもどこか現代の安っぽい曲の要素を取り込んでいるようにも見えます。

Perfumeが全国、いや世界に広まるにつれ「ヤスタカ節」が薄れ、映画等とタイアップするように。また中田氏もPerfumeの成長に合わせて曲調を変えてきました。
中田氏との関係も厚く、「中田さんが辞める時はPerfumeの終わり」というセリフはファンの間で知れ渡っています。
また、YouTubeには曲をフルで公開し、ニコニコ動画ではユーザーにより自由に編集された動画が公開され、これらほとんどを容認しています。ネット動画を広めた原点とも言われています。

AKBはCDに握手券をつけて売ることでオリコンに殴り込み、事実上の順位崩壊状態に。
前にも書きましたが、曲のクオリティで勝負していた多くのアーティストは、一線から退いてしまいました。
PerfumeにあってAKBにないものは「刺激」でしょうから、もう一度列島を激震させる曲を出して欲しいものです。