人手が余る店も?! 今コンビニで起きている「格差」

小売業やサービス業、物流業などで起きている人手不足。
特に人口が減ることが確定しているのに仕事量が半端なく多く、積極出店を進めるコンビニではそれが顕著だ。
本部は高齢者や主婦にスポットを当てたり自動釣銭機の導入、販促物削減など負担軽減を掲げているが、これらは本質的な解決策ではない。
人手不足の切り札ははっきり言えば
①他の業種と同じ時給が出せるか
②それに見合った仕事量か
である。一日800人の客が来るのに最低時給・ボーナスなし・社保なしではとても割に合わないから人手不足になる、簡単な話だ。
現在はさほど稼がなくてもいい主婦や学生や外国人アルバイトで回っているが、そのうち外国人すら働かなくなる職場になるのは目に見えている。
本部の高いチャージの問題もあるが、無駄な発注の削減・廃棄・光熱費など運営費を削減してとにかく高い時給やボーナスを出すなど福利厚生を全面的にアピールするしか方法はない。応募者が見ているのは「時給」ただそれだけだ。

さて、同じコンビニでも「人不足」どころか「人余り」となっている店がある。
毎週のように続々と応募が入り、オーナーが嬉しい悲鳴を上げているのだ。どういうことか。
そのような店には概ね共通点がある。
①店長が穏やか、怒らない …地域で評判になり、客も増えて従業員も増える。理想的な店だ。
人が増えることで店長がシフトインしなくて済み労働時間が減り余裕が生まれる。
什器にペタペタ指示を落書きしたりノートに毎日グチグチ書く店も多いが、これを無くすだけで雰囲気は大きく変わる。
②シフトの要望に柔軟に対応している …新規従業員だけでなく既存従業員を辞めさせない配慮も大事。
半年で半分が入れ替わると言われるコンビニで1年間で1人しか辞めなかった店もある。
③レジ差額負担やギフトノルマがない …SNSですぐ炎上する現在、違法と思われる可能性の高い事はしない方がいい。
最低賃金でうなぎ?ケーキ?そんなの買う金はない。
④紹介で人を連れてくる …来てくれたら数千円、3ヶ月働くと数千円という制度を作る店も多いが、作らなくても誰かを連れてくる店も多い。求人費ゼロ円で人を連れてくるほどありがたい話はない。
⑤時給が比較的高い …金は幸福度や余裕に直結するので、高い時給になっている店員は比較的余裕があり、この店で働きたいと応募する好循環が生まれる。応募者のほとんどは職場に下見に来ると言われているので、一度下見に来て雰囲気が良いと感じたのであろう。

だが人余りになる店には問題もある。
①人件費が余分にかかる 例えば5時間を一人で回す場合と2時間と3時間でそれぞれ二人に分けた場合、完全に00分で入店・退店とはならず1分単位支給のため多少かぶりがでる。このかぶりを一日1時間とすると、一ヶ月で30時間、時給1,000円換算で30,000円となる。
また条件を満たした場合は交通費、雇用保険、有給や社会保険加入なども必要で店の出費は増える。
よく人を雇うと人件費が余計にかかるというが、こういうカラクリがあるのだ。
②無駄な早出や残業リスク 誰でも雇うのはいいが、中には借金やギャンブル、喫煙などをしていて一円でも多く稼ぎたいという人もいる。コンビニが時給制である事を利用して早出したり残業したりしようとする。管理者はこれをきちんと指導しないと無駄な人件費増大要因となる。
③稼ぎたい人は不満で辞めていく 人数が多くなるとどうしても一人あたりのシフトを減らさざるを得ない。例えば100万円の予算があるとして、15人なら月66,666円だが、20人だと50,000円に減少する。8万円稼ぎたいという人は数ヶ月働いて稼げないことが分かると掛け持ちしたり辞めていく可能性もある。既存従業員の要望を聞きつつ人余りの店は時間帯等に応じて応募を断ることも大事だ。平均的なコンビニの場合、スタッフ10人だときつい、15人だと標準、15人以上は人余り状態だ。

一部店舗や本部は口を揃えて「人不足!!」と唱えるが、厳密には人不足と人余りの格差がより広がっていると言うことである。
人余りの店はこれ以上人は要らないし、人不足の店はもっと人が欲しいと嘆く。
本部は人余りの店がどのような制度や雰囲気でやっているか吸収し、人不足の店にそのノウハウを伝授する必要があるだろう。
これまで店の人員管理は「個店の問題」と切り捨ててきた訳だが、そろそろ横のつながりを持ってもいい時代ではないだろうか。