歯医者が一度にまとめて治療しない4つの理由

歯医者に行くと数分~数時間待たされたあげく、助手が洗浄して終了、院長がちらっと見て終了、でも会計は1,500円などかなりとられます。
詐欺じゃないかと思う人もいるかもしれませんが、これにはカラクリがあるのです。
歯医者の儲ける仕組みを理解すれば納得できるでしょう。

1.人数は限られている
歯の治療にはもちろん資格が必要です。どこまでは資格なしでもできる、どこからは資格が必要など細かい条件が決まっています。
事務作業をしたり道具を手渡す助手はたくさん雇えても資格の必要な歯科衛生士や医師は一院あたり数人しかいないでしょう。
例えば地域の小さな歯医者で一日8時間で患者が50人きたとすれば、患者一人あたりにかけられる時間は9.6分。
院長など資格持ちが一人5分見たとしても、それは2人で休み無くやった計算なので、1~4分ぐらいしか取れないのが現実でしょう。
そのためには一人あたり一日4分で終わる治療内容に分割する必要があるわけです。助手が手際よく仕事して院長がその患者の席に来たらすぐ必要な仕事ができるように道具等を揃えておくのはマストなわけですが、実際はトラブル等があれば遅延します。もちろん麻酔やレントゲンなど大がかりな治療の場合は当然点数も高く収入が見込めるので前後に患者を入れないなどして回転率を低くします。
一回の歯医者の拘束時間は15分程度が多いですが、これは(助手によるカルテ確認や洗浄・準備9分)→(医師の治療行為4分)→(助手による洗浄2分)に分割され確かに言われてみればこんな感じだよな、と感じる人が多いと思います。

2.一日の診療点数に上限がある
金持ちでない限り、ほとんどの人は国民保険や社会保険を使って治療するでしょう。
これは後日それぞれの所属けんぽ等に請求するのですが、一日の治療点数が多いと「治療の水増しじゃないか?」と注意されてしまいます。
患者は「すぐに全部治してくれ」「一日でも早く」と思うかもしれませんが、一日や一ヶ月等のスパンで治療点数に上限があるのでやりたくてもどうしても分割させるしかないのです。歯の準備時間等々と書いているサイトも多いですが、本音はこれでしょう。
自費治療ならともかく、保険治療の場合は治療内容や手順、使う薬なども細かく定められ正直儲からないというのが本音です。正直儲からないですが保険治療に対応すれば抜群の集客力があるので、数で稼ぐしかないのです。
なお「治療点数」とは医療行為を点数化したモデルのことで、「○○をすると○○点」など細かく条件が決まっていて、一点10円で患者に請求されます。小学生並に砕いて話すとサッカーでゴールすれば1点、みたいな。保険治療の場合はこの3割が実際に窓口で請求されます。

3.キャンセルリスク
予約を入れても、キャンセルや変更する人も多くいます。
その日のために医師や衛生士、人や道具の準備もあります。キャンセルされるとその日の収入だけでなく道具や人も全て水の泡になるので、キャンセルして欲しくないのが本音でしょうが客相手にそういうことは言えないので、キャンセルを見込んであえて一回あたりの治療内容を抑えるのです。例えば一日10万円の収入が見込める患者が来れば一日一人だけでもいいのでしょうが、その人がキャンセルしたらその日の収入はゼロです。そんなリスクを取りにいく経営者はほぼいないでしょう。「今日中に全部治してくれ」という客に対しての医院の本音は「あなたは絶対に来るの?絶対にお金払ってくれるの?」というところでしょう。「次回は高くなりますがよろしいですか?」など精算時に声かけをしてキャンセル確率を下げるしかありません。

4.何らかの障害が起きた場合の原因究明
歯は脳に近いため、刺激を与えるとごくまれに障害が発生する場合があります。また治療して様子を見る時間も必要です。
また医者のカルテ整理や情報整理の時間も必要です。
一括で一日で終わらせてしまうと何かあった時にどの手順が間違っていたのか原因究明が難しくなるので分割しているのです。

これらの理由を総合すると、歯医者のビジネスモデルは「一人あたりの治療点数に上限があるため一日の回転数を上げるしかない。患者にはお手数でも日を改めて来て頂くしかない」ということになります。要は回転寿司と同じですね。一人あたりの食べられる皿の量はせいぜい10皿程度がいいところでしょうから、ならば客を早く満腹にさせて新たな客を入れる。こうするしかないのです。