新電力 安いはウソ?損?基本料無料の罠に注意

新電力で基本料無料を謳う会社が登場していて比較サイト等でも「年間2万円安い!」と言われているが、実際計算してみるとそれほど安くはない。
掲載数No.1などをうたう比較表・料金シミュレーションサイトもあるが、何を根拠にどう計算しているのかが不明である為必ず会社のWebにて料金表を確認してシミュレーションすることをお勧めする。
これらのサイトは実際の使用量より過剰に見積もってお得額を大きく表示していたり、横にすぐ「今すぐ加入」などとついており広告料をもらっているのか自社に有利な順に出てくることも多いのであてにならない。

基本料無料の会社は、確かに基本料は無料であるが、従量料金(つまり単価)が高く設定されている。
また、使った分×単価だけではなく、再エネ賦課金や燃料調整費(諸費用)は別途徴収される。
ここを大きく書いていない会社が多いので要注意だ。
従量料金が高いということは、120kWh以下で使う一人暮らし等の場合はあまりお得にはならないという計算だ。
年間1万円お得などというサイトは、何らかのキャッシュバックも込みにしている可能性が高く、最初の1年だけという場合が多い。

ではさっそく有名な2社で比較してみよう。条件は東京電力エリア、30A、120kWhとし諸費用は含めていない。
この場合東電の請求金額は3,184円(基本料842/単価19.52)となるのでそれを基準にいくら安くなるかも記した。
HTBエナジー 月169円得 年間-2,028
パールプラン 月258円得 年間-3,096
このように見てみると大量に電気を使う場合は節約になるかもしれないが、120kWh程度であれば新電力の恩恵は薄いことが分かる。
「年間○万円」などとはほど遠い数字だ。
@niftyでんきやENEOSでんき等、東電と大きく料金が変わらない会社はキャンペーンを打ち出すケースが多い。
キャンペーン等が適用されて「年間2万円お得!!」など謳っているサイトがあったとしても、これは最初の1年だけであって解約忘れを狙っている場合もあるので注意を。また長く続けることを考えた場合はキャンペーンのカネ配りよりも純粋に単価が低い所の方がお得になる。必ず見た目のお得額に惑わされず実際に先月の使用量など実態に即した数値を入れていくら安くなるのか、このように単価一覧の表を作って比較されることをお勧めする。比較サイトの金額や順位を真に受けてはいけない。
また、会社によっては二年縛りや数ヶ月以内の解約は契約解除料が発生する場合もある。必ず条件を確認して欲しい。

一人暮らし等120kWh程度であまり電気を使わない場合は東電のプランでも十分というか東電がめちゃくちゃ高いわけでは無いことがご理解頂けるだろう。