カーディーラーで車を買うと、営業の必死な説明に飲み込まれてあれこれとオプションをつけたくなりますが、ちょっと待って下さい。
「ナビはいかがしますか?」と聞かれて流れで決める人は非常に危険です。
オプションはつけないという選択も可能です。私の車はバイザーなし、マットも社外。つけたオプションはETCだけです。
ほとんどのユーザーにとって、オプションはナビとマットとETCだけで十分です。オプションをゴロゴロつけた所で、ほとんど使わないし役に立たない飾りばかりで、燃費が上がるとか走行性能が変わる訳ではありませんので。支払の負担が増えるだけです。
オプションを沢山つけた方が値引が増えるかもと期待しがちですが、オプションゼロがオプション30万になった所でもらえる値引はせいぜい3万円程度です。それ以上はそこには書けないので別項目での値引となりますが、上乗せされるとしてもせいぜいプラス3万が限界です。
冷静になって考えると、30万のオプションで6万値引してもらうよりも、それらを外して24万円分減らした方が支払が減るのは小学生でも分かりますよね。しかも将来下取りに出す時にオプションに掛けた価格は全く反映されません。
プリンタがインクで儲けるインク商法、秋元が握手券で儲ける握手券商法などと同じように、車は車本体では儲からないのでオプションで儲けるいわゆる「オプション商法」なわけです。オプションの原価は1~2割だなんて言われていますから、販売店がいかに儲けているかがよく分かりますね。例えば20万の純正ナビも4万円程度で入荷していたりするのです。5年ぐらい時代遅れの部品を使っていて社外で同じ性能のナビを見ると6万円程度だったりしますが、そういうナビを20万円という高い価格設定にすることで販売店の利益を増やしているのです。「純正にすると保証もあります安心です」「後々売るとき評価高くなりますよ」なんていうのは定番の営業トーク。だからカーディーラーは立派なガラス張りの建物を構えることができるのです。
つけたら損するオプションを並べておきましたので商談の際に参考にして下さい。
オプション名 | 理由 |
ナビ | 大画面だの録音ができるだのいろいろ機能を売りにしていますが、純正ナビにするなら一番下のグレードで十分。どうしてもいいグレードが欲しいなら中古市場から手配。前の車から移植。機能や音質重視なら社外ナビに。 |
フロントグリル | 顔が変わるだけ。不要。 |
テールゲートスポイラー | 風力の専門家からすれば大きな効果はなく単なる飾りでしか無いらしい。不要。 |
ロアスカート | こちらも単なる飾りなので不要。ロアガーニッシュも単なる飾り。 |
ドアミラーカバー | ドアミラーの外側の色を好きな色に変えられるらしいが、どうせすぐ汚れるのがオチ。 |
アルミホイール | 安定感は増すかもしれないが燃費は下がるかも。ディーラー経由で買うと高いので不要。 |
エンブレム | 完全に好みの領域となるが見た目の問題でしか無いので不要。ただしものすごく高いわけでは無いのでまだ許容範囲。 |
フォグライト | 昔は必要だったかもしれないが、最近はヘッドライト自体が明るい傾向にあるので霧の多い環境以外は不要。 |
ドアバイザー | 雨が降っていても窓開けて喫煙したいという人以外は不要。最近の装着率は下がっている |
マッドガード | 要は泥よけだが、泥よけ効果はあまりない。デザインが損なわれるので不要。 |
ドアハンドルプロテクションカバー | ドアの取っ手なんて傷ついてナンボでしょ。それより自分の爪を切った方がいいので不要。 |
プロテクションフィルム | 車を動かして人を乗せる以上、傷が付くのは当たり前。下取りには影響ないので不要。 |
ライセンスフレーム | これも見た目の問題で走行性能が変わるものでは無いので不要。 |
サイドステップガーニッシュ | 入り込むときに傷つくのを防止するような部品だが、これも傷ついてナンボ。不要。 |
フットライト | 暗いときはスマホのライトを使えばいいので不要。 |
LEDルーフ照明、ルームランプ | 社外品でLEDのバルブを安く買えば自分でも簡単に交換可能。 |
コーナーカメラシステム | ナビに映るらしいが、ナビで見なければ意味が無いので不要。 結局自分で周りを確認したほうが早い。 |
フロントカメラシステム | 前を見て運転するのだから前にわざわざカメラを付ける必要はない。よって不要。 |
パーキングセンサー | 障害物を検知して音でお知らせするが、バックカメラがあるなら不要。 |
コーナーポール | 自宅の車庫が狭いなど特殊な環境で無い限りは不要。 |
スポーツペダル | ペダルを変えた所で走行性能が変わる訳ではない。不要。 |
シートカバー | シートを汚しても下取りには殆ど影響しないので不要。 |
キーカバー | 同じカバー目的だとしても社外の方がよっぽど高品質なので不要。 |
オールシーズンマット | どうせ乗れば汚れるのだから、ノーマルのカーペットで十分。 |
ナンバーロックボルト | ナンバーを盗む人などほとんど居ないので不要。アルミホイールロックボルトやナビゲーションロックボルトも同様。社外ナビを盗む人はいても純正ナビを盗む人はほとんどいません。 |
ハイグレードスピーカーシステム | スピーカーをどんなに高品質にしても車のドアは穴だらけなので無意味。ノーマルで十分。 |
点検パック、延長保証 | 法定費用以外はほぼ全て販売店の利益になる。点検パックと言ってもオイル交換するだけで無駄。それならスタンドで十分なので不要。 |
コーティング | 「ボディC」「ハイドロフォビック」「プレミアムコート」「ガラスコート」「ガラス撥水」など略称になっていて突っ込まないと何なのか答えなかったり、「新車セット」に組み込まれたり、黙っていると勝手に見積もりに組み込んでくる悪い店もあるので注意。 実はこれが一番儲かる商品。 「せっかくの新車ですから美しく保ちたいですよね」が営業トーク。だから何? そんなに高い車で無い限りコーティングは不要。 もししたいなら社外でいくらでもコスパのいいコーティングはあります。 ディーラーのコーティングも下請けにやらせるだけなので納車が延びます。 |
このようにオプションは心をくすぐる便利な装備や快適な装備を用意していたりしますが、絶対に騙されないように。
車の雑誌は「オプション山盛で値引き上乗せを!」なんて書いていますが、実際にやったこともありますが値引きは大きくは増えませんでした。雑誌の書いていることはウソですね。もしかしたら車屋の元社員が書いているのかもしれません。
上にも書きましたが、オプションはナビ(純正つけるなら一番下のグレード)・マット・ETCだけにして、オプションを最小限に絞って車の支払いを最小限に抑えましょう。
車の営業は客があれこれつけて下さいと言うと裏で「よっしゃ」と喜んでいます。絶対に「このオプションは不要でしょう」「ここ削ったらいかがですか」なんて第三者目線のアドバイスはしません。自動車販売店の策略にはまらないように注意しましょう。
