おにぎり100円セール実施の舞台裏

コンビニ各社は、なぜおにぎり100円セールを繰り返し行うのでしょうか。
消費者には嬉しい施策ですが、一方で現場は悲鳴を上げています。
なぜそうなるのでしょうか。理由をまとめました。
いつからいつまで?なんていうサイトは沢山ありますが、埋もれる話では意味が無いので「なぜやるのか」がテーマです。

1.宣伝材料になる
単純にCM等での宣伝材料になります。
宣伝されるとSNS等で話題にもなるため、来店客数増に繋がると本部は考えているのです。
またポスターをちょっと貼るだけで実施できるのでスタッフの負担も少ないと考えているようです。
最近はコンビニのおにぎりは大して美味しくない、添加物が…という意見も客の間に広まりつつあり「100円にされたところで」という人もいると思いますが、何か食べられれば良いというようなシニアの人には依然効果があります。

2.オーナーや店長に発注増を言いやすくなる

100円セールの度に、SVは店舗に「発注提案表」という事実上のノルマを押しつけてきます。
本部は「強制ではない。目安だ」と言っていますが、これを守らないと電話をかけてきたり夜中に強制的に入力しに来たりするので、ほぼ強制と言ってよいでしょう。
たくさん発注したら廃棄も増えるのでは?と思うと思いますが、もちろんそうです。コンビニ会計上いくら廃棄が出てもSVが損することはないので店の事情を無視した数量をバンバン強制してくるのです。
SVもSVで上司に「ノルマだ」なんて言われているのかもしれませんが、そういう古くさい体育会系のしきたりが残っているのがコンビニ業界なのです。

3.発注数が増えるので本部が儲かる
上のように発注提案という事実上のノルマによりセール期間中は提案通りでないとしてもほとんどの店が普段より発注数量を増やします。原価にチャージが含まれていると考えると、単純に発注数が増えるごとに本部の儲けは増えます。
確かに売価を100円に下げるのでその分の差額は本部が持ち出しという体になっていますが、実際はセール期間中はドライバー配送会社やおにぎり工場の会社からセール協力金という名の上納金を取っているのが現状。なので本部の負担は小さいものです。過去にファミリーマートがこの件で公取からお叱りを受けましたが、怒られたと言う事は他社のコンビニでも同じようなしきたりでやっていると言う事でしょう。
原価率は大きくは変わらないので1個あたりの店の儲けが増えると言う事はありません。

4.ついで買いを促す
SNS等で「100円セール」と見て来店すれば、おにぎり以外にも何か買うだろうと本部は見込んでいます。
実際、おにぎりだけを買う人はほとんどおらずおにぎり+茶や、おにぎり+公共料金、おにぎり+揚げ物、おにぎり+タバコ、などプラスアルファで何かを買っていく客が多いです。公共料金やタバコはあまり儲かりませんが、それでもチリも積もれば何とかと言う事です。おにぎり100円を実施することで現場からすればおにぎりを売る以外にも余計な仕事が増えるのです。

5.いくら増えるの?
セールの効果は絶大で、セールを実施していない前年比に比べて1.6倍増(おにぎりだけ)というデータもあります。約2倍売れると考えて間違いないでしょう。
本部は数字だけ見ていればよいですが、それを打つのは誰?現場なわけです。おにぎり100円セールは消費者にとっては便利でお得かもしれませんが、セール期間だからと言って人が増えたり時給が上がることはありません。最低賃金に毛が生えた程度の時給のままです。
1.6倍ということは納品される番重の量も1.6倍ですから、その分検品や品出しに時間がかかったりスタッフの負担が増えるわけです。1.6倍売上が伸びた=1.6倍スタッフの負担が増えた、ということなのです。本部は喜んでいる場合ではありません。現場は人手不足で悲鳴を上げているのですから、負担を減らす方策を考える必要があるでしょう。

このようにおにぎり100円で喜ぶのは本部と消費者だけで、現場(店、製造工場、ドライバー)は悲鳴を上げているのが現実です。
毎月のように実施しているチェーンもありますが、少し頻度を抑えて四半期に一度程度にするなど対策を考える必要があるでしょう。
消費者もセール期間中はついで買いをしない、電子マネーで買うなど店の気持ちを忖度して買い物できるようになると良いですね。
まぁそれよりも本部の発注数量一辺倒の体育会系体質を変える必要があるとは思いますが。

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