静岡議会、不信任決議案1票差で否決も自民改革会議が広げた政治劇場


コシヒカリ発言に伴う給与未返上問題を受け、自民改革会議が提出した知事への不信任決議案が1票差で否決されたようだ。議会の構造上、自民系が全員不信任に賛成したとしても「ふじのくに県民クラブ」が造反に回らない限りは可決にはならないという事で、造反が出なかったので否決になった。不信任決議案が可決されると、知事は辞職または議会の解散を選択する必要があり自民は次回も提出を模索するとみられる。
自民の目的は「知事を辞めさせてリニアを開通する事」であるが、知事の不信任案を夜中の1時までやる必要があったのかは今後議論の必要があるだろう。うちは政治屋だとしてどうなるかわからないという政治ショーを展開しただけに過ぎない。昔の知事であれば「職員の残業代掛かってるわけで、意味あります?」とか煽っていたはずであるが、今回は「真摯に反省して県民に尽くす」というようなコメントをしていた。違う知事になったとしても現在議論している問題は先にせよ後にせよいずれ必要な議論なのである。

自民は知事を変えないとリニアは解決しないと考えているようだが、実はそれは間違いであり川勝知事もようやく対決から解決の姿勢に変えたようだ。東海が社運を懸けて沼津駅でコラボし周辺地域に絶大な経済効果を生み出している事を受けてのものであるのは言うまでもないだろう。良くも悪くも静岡の活性化しか考えていない知事なのであり、活性化してくれる事業者は優しくするが活性化してくれない事業者は出ていけという点ではある意味分かりやすい態度を取っている。SBSで知事の発言は全て見る事が出来るが、1年前・2年前に比べて東海への批判は皆無になり表情は穏やかになった。1年前は工事を中止してルート変更せよと唱えていたが、最近は「進捗が見られつつある」「一つ一つ納得していけば47項目は自動的に解決する」と異例の評価に転じた。リニア自体には賛成というのも今年春頃からの発言であり東海が沼津駅でコラボを打ち出した時期と表情の変化ぶりは見事に一致する。運営側からの長年のコラボ要請を歴代東海経営陣は蹴っておいてリニアだけを引かせてくれというのは順序が違うという事だろう。リニアによる直接的な恩恵が受けられない静岡であるが、代わりに地域を盛り上げ実際に効果が出ていれば知事はそれに応じて一つずつ認めていくというスタイルのようである。東海が他社とコラボするとリニアの話が進むのは理解出来ないと思う人もいるかもしれないが、それは人口減少問題と関係がある。静岡県は東海道新幹線沿線の中で唯一と言っても過言ではないほど人口減少に直面していて静岡で生まれ育っても結局隣の大都市に行ってしまう問題を抱えており、それは良くも悪くも東名阪の移動を促進してきたJRの責任でもある。減った水を返してと言うのは建前で、本音はこだま増・のぞみ停車・空港新駅よりも「減った人口を返して」これが本音なのである。特に距離が近い名古屋には強く思っているはずだ。いくらのぞみが来た所で人口が増えなければ意味は無く、自治体は人口がゼロになればたちまち経営難に陥る。実際は国からの交付金があるだろうが、それでも自由度が減るのは言うまでもない。観光客が来ればコトやモノを消費し、ホテルで宿泊等、多くの金を落としてくれてそれは税収増につながる。ファンが来てぬまっちゃ1本買ってくれるだけでもありがたいという事だろう。知事が観光等で人を呼び込み地域活性化に向けて努力する事業者を大歓迎するのに対して、リニア等として東名阪の人の移動だけを促す事業者に許可を出さないのは必然であり、百歩譲ってリニアを作りたければまずは広域から人を呼び静岡に住みたくなる活性化の手を打ってくれという事なのかもしれない。自民も知事だけを叩くのではなく、年間3000億も利益を出しているのであれば300億ぐらいはコラボに投資すべきであり、人口減少に苦しむ街に何が出来るのか、現在のコラボは税収が20年前と同等になる日まで延長、及びアニメ等を使って人を呼び込む施策を打つよう指導してもらいたいものである。