JR四国「やり投げ」報道多数も被害届提出を躊躇する理由

伊予大洲駅付近で撮影された「やり投げ動画」がついにキー局でも報道される等波紋を広げているが、ネットでは厳しい処分を求める声が多い一方、JR四国は「絶対にお辞め下さい」というコメントを出すのみで特に警察沙汰にしたような動きは見せていない。推測される理由をまとめてみた。
1.現場検証が面倒
警察に被害届を出せば、社員は長時間事情聴取を受け、ある日警察が訪れて「現場検証したい」等と言い出すのは目に見えている。人身事故で数時間列車が止まる原因の多くは、警察権限で止めさせている為である。列車を数分止めるだけでも全路線に波及する上、警察の相手をする人員もいないし、列車を止めて現場検証など正直したくないのが本音だろう。
2.当該が見つかっていない
当該コーンバーが現場から見つかっていないという報道があった。どこかから盗んで投げたのだろうが、拾って元の場所に戻したのかもしれない。
3.列車への影響無し
確かにプラスチックの棒を線路に投げ入れた事や列車の運行に影響が起きうる行為そのものについて処分すべきという意見はあるが、鉄道会社からすれば「今回の事案に関しては列車の運行に影響が無かったので問題無い」という見解のようである。これが停車中・あるいは走行中の列車に対して投げていればもっと重い罪になっていただろう。日々の保線をしっかりやっているからこそ、何でもかんでも警察に突き出すのではなく問題無い場合は問題無いと言い切るのも四国らしいと言えるだろう。
4.イメージアップに躍起
この路線は、毎年のように国交省から赤字だから経営を改善しろと突かれながらも地域住民以上にJRが一番気合いを入れて地域活性化をしている場所だ。本当の客は外野から騒いでいる全く乗らないネット民よりも地域住民であり、すぐ警察に突き出す会社というイメージを持たれて売上低下を危惧している可能性もあるかもしれない。
5.地域が指導する?
JRや警察が動かなくても、家族や地域住民が厳しい指導をする等して本人が反省するならばそれで良いという解釈なのかもしれない。
6.問題が複雑
近くの中学生という報道もあるが犯人は誰なのか、コーンバーは誰のものでどこから盗んだのか、等一社だけの問題では無い部分もある。
JRの会社風土によって対応は微妙に異なる。東海はすぐ警察に突き出し、東はその場で注意・張り紙・ロックを掛けたりするが警察には言わない、四国はそのどちらでもない対応のようであるが、今後の展開に期待したい。