学校便りにイラスト使用で使用料支払多数 問われる教員の著作権認識

学校便りにネットで検索したイラストを使用し、後日そのイラストの著作権を持つ団体から使用料を請求されて支払ったという報道が出ているが、全国の学校現場は大きな誤解をしているのである。それは「教育現場なら著作権は問われない」という認識である。

教育現場において授業の中で必要最小限の範囲で他人の著作物を使う行為は、著作権法の例外として設定されている。例えば社会科の授業でNHK等の歴史番組を流しても著作権違反に問われず、生徒に配るプリント(教材)やテストにイラストを使うのであれば授業の範囲なので問題無い。しかし「学校便り」は一般的に対外的な告知物で授業とは関係無いので使用料を請求される対象になり得る。その他、保護者に向けた物や授業に関係無い配布物に関しては全てアウトになるだろう。これを回避してどうしてもイラストを使いたければ完全フリーを謳っている「いらすとや」を使えば良い。
そして、どこの学校も「著作権に違反したので使用料を支払う」と言っているが、どのフリー素材であっても著作権は存在し、著作権がフリーになっている訳ではない。利用規約の範囲内で使う分には使用料を取りませんよというのがフリー素材であり、利用規約の範囲を超えた場合は使用料を請求される事になる。各サイトの規約をよく読まず教育現場は著作物使い放題という軽い気持ちで使っている教員が全国に多数存在しているのが現状であり、政府及びデジタル庁は全国の教育委員会に対して素材を使う際の注意喚起をすべきであると言えるだろう。