JR四国、値上げ公聴会中止 来春13%・反論申し出なく国交省衝撃

JR四国の来春からの13%値上げを国交省に申請した事について、10月に開催を予定していた公聴会が中止となった。公述と呼ばれる値上げに対して反対の意見を申し出る人がいなかった為であり、つまりこれは沿線住民は値上げを受け入れたと見なされてもおかしくは無い。普段から四国に対して厳しい指導を行い、値上げに対して激論が飛び交うと見込んでいた国交省もこれは想定外であり衝撃が走ったはずである。

JR四国は赤字と言われているが、ネット上でのダイヤやサービスの評価は東海と匹敵する。ドル箱新幹線を持つ会社と評価がほぼ同じというのは衝撃であるが緑や赤の会社と異なり、徹底的に運賃・料金を徴収し真面目に鉄道事業をやっているのである。赤字と言いつつもフリーきっぷ充実、新型特急の導入、特急増発、予讃線への交通系導入、特急は勿論朝夕時間帯の普通列車に対する車内検札の徹底、パターンダイヤ化等を行い、多少の普通列車の減便はあってもJR発足後廃止にした路線や駅は一つもない。予讃線に至っては経営が苦しい中で10年前と比べても便を減らしていない。(厳密に言えば数キロだけ三セクにしたようだが鉄道は存続である)数年間四国の電車に乗っていた事があるが、ほぼ遅延も無くあったとしても月平均5分程度であり「マリンは風でよく止まる」と言われていたが運行が中止になったり数時間缶詰みたいな事は無かった。
経営が苦しいにも関わらずむしろサービスを向上させる事によってものがたり列車等の成功に繋がり、地元民も「ここまでやって値上げなら仕方ないか」という考えに至ったのだろう。経営陣もJR四国が嫌いだから乗っていないのではないかと思っている節があるが、沿線住民はJR四国が嫌いなわけではなくむしろ列車に乗るのは好きで楽しく憧れの存在だが単純に車を使った方が安上がりだからと言う理由に過ぎないだろう。これはものがたり列車でバス会社やガソリンスタンドの人が手を振るのを見れば分かるのである。社長も「経営の苦しい路線はあるが言わない。廃線協議もしない」と断言しており、同様の赤字路線で廃線協議を行うJRの中では極めて異色の存在と言えるがその中で経営基盤を強化できるのか今後に期待したい。