JRと言えば駅の改札では管轄がキッチリ分かれているように見えるが、列車の運用上はそうではないようだ。一日数本程度ではあるが、沼津から小田原という中途半端な区間を東所属のE231系、そして東海の車掌・運転士が熱海まで乗務していた。そのまま上野東京ラインに乗り入れる編成もあるようだ。端的に言うと東海が東の車両をレンタルしている形であるが、逆に東海の列車が東に乗り入れてくる事は無い。東の列車は割と急加速・急減速に近い運転をするが、ゆっくり走り基本動作を徹底しているあたりは東海らしいと感じた所である。もっといえばサンライズ瀬戸はJR東・東海・西・四国と4社を跨いでいるのだから理論上は可能なのである。
東海道線の車両にはオレンジと緑のラインが引かれておりこれを「みかんと葉の色で選ばれた」と一部では言われているようであるが、個人的には東海と東日本が共同利用するので二社のカラーを付けているのではないかと考えられる。ではなぜこのような変な運用をしているかというと、東にとって沼津を車両基地代わりにすることで運用本数確保、サンライズ瀬戸の車両使用料を車両貸出で減額させているとか、日々の車両の貸借を車両で返すという掟があるからだろう。何両か差し出して支払が安くなるならその方がありがたいのかもしれない。ただし東海の普通列車には10両編成は無く2~6両なのでそれを見ても斬新な部分は感じる所である。表向きはバチバチ炎を燃やしライバルと良く言われているが、境界部分では意外と仲良くしているのかもしれない。
