乗客守ったのに処分で国交省炎上「路線を外れた路線バス」再来か

マスクを付けるよう再三呼び掛けたにも関わらずマスクを付けなかった客をバス停の10m先で降ろしたとして行政処分を科された静岡のバス事業者について、バス事業者側を擁護する声が大多数となっており国交省批判の声が鳴り止まない。
確かに法律では「乗せる義務・運ぶ義務」があるのは確かだし、バス停以外の場所で降ろす事も許されない。道路運送法にマスクの規定は無い上、約款にマスクを付けていない客は降ろすと書き込んでいなかったのは会社側の落ち度だろう。しかし、安全や正義の為なら法外な事をしても許されるというのが過去にフジで報道された「路線を外れた路線バス」である。道路上で急病人が居たので二次災害が起きないようバスでブロックした上、さらにその患者をバスに乗せてルート外の病院まで運び、しかも上司には事後報告であった。乗客の急病人をルートを外れて病院まで運ぶのは許されるが、乗客では無い急病人を運ぶ事は規定違反になる。このように厳密に捉えれば違反と言われる点は多数あったものの人命救助の為だとして社内の処分は撤回され新聞に大きく取り上げられた一件である。当局による処分も無かったのだろう。
バスは公共交通とは言え、お年寄りが居ても電車は容赦無く発車するがバスはダイヤ遅れ覚悟で待ってくれたりする等、比較的人情味のある乗り物である。そのような人情味のある行動に対して何でもかんでも法に照らして違反だから処分するのが正しいのか、それとも法律違反になったとしてもノーマスク客を降ろして多くの客を守ったと捉えるのか、賛否両論が渦巻く問題であり政府が判断を示すべき問題である事は確かだろう。