JR四国、MaaS発表 スマホ提示で乗車・降車可能 将来的には全券種拡大

JR四国がMaaSとして検討していたスマホアプリ「しこくスマートえきちゃん」の概要を発表した。スマホで切符等を購入し、その画面を乗務員に見せる事で列車の乗車及び降車が出来るようにした仕組みで、JRでやるのは全国初と言えるだろう。秋からSきっぷ・企画乗車券の取扱が始まり、来春には定期券や乗車券も含めたほぼ全ての乗車券類での取扱ができるようになる。

JR四国は従来から費用面等の都合で自動改札の導入に否定的であり、高松・高知駅以外は全て有人改札または無人駅である。無人駅には人は居ないが、そのような区間はワンマン列車になっており降車時に運転士に乗車券類を見せるので結局有人なのである。つまり有人であれば画面を見せるタイプの新商品や新サービスも柔軟に導入できる訳であり、そこを逆手に取り今回のサービスを発表したという所だろう。悪用やスクショ防止の為、背景画面が動く仕様になっているようだ。例えば高校生においても電車移動中はスマホをいじっている訳であり、改札の時だけアプリを切り替えて定期画面にした上で乗務員に見せれば良いので定期券をバッグから取り出したり落としたり無くしたりという事がなくなる訳で、その点では大きなメリットと言えるだろう。一方で電車に乗車中にスマホの充電が切れたら乗車券類が見れないという部分もあり、その点をどうするのか、例えば運転士に充電器を持たせておくとか主要駅の窓口に充電器を常備しておくといった対策も求められるだろう。払い戻し・日時変更・人数変更もアプリ上から出来るという事で、将来的にはJR四国管内において高校生がスマホを提示して改札を出るという光景が日常になるかもしれない訳で琴電等の他社との連携も含めた今後の展開に期待したい。