国交省は高速道路の料金体系について整備重視から利用重視に移すと表明しているが、それならば大都市近郊区間も見直すべきである。大都市近郊区間とは「建設費等が著しく高い区間」を指し、関東圏においては首都高から30km圏内をそれと指定しているが、通常の地方部単価24.6円に対して29.52円と1.2倍高くなっている。合計がETCで請求されるだけなので知らない人も多いと思うが、こっそり単価が上乗せされているのである。また休日割引の適用除外エリアであり大都市と言うからそこは大都市なのかな?と思うが実態はそうでは無く、単純に30kmの範囲を定めただけに過ぎない。
一部を省略したが、大都市近郊区間をザックリ列挙すると上の図のようになり、かなり多くの路線が高い単価で運用されている事が分かる。本線料金所廃止でコストが浮くのだから最終的には大都市近郊区間も廃止してどの高速を走っても一律24.6円にしてもらいたいものであるが、それが難しいのであればまずは大都市近郊区間を2区間程度縮小すべきである。外環は仕方ないとして、東北道や常磐道等の首都高から放射状に延びている高速道路に関しては縮小できるはずである。例えば東北道であれば岩槻ICまで縮小、常磐道であれば柏IC等といった具合である。圏央道も本来は地方部単価のはずだが、国がカネがない時に作ったという理由で沿線は大都市でもないのに無理矢理大都市近郊区間にさせられている。ETC2.0をつければ圏央道は地方部単価になるが、車載器費用でペイできるとは到底考えづらい。
この施策が実現すれば、いつも乗っている人がいつも通り走っても代金が安くなるのだから安くなったと実感する人も多いはずである。東京に近いからという理由だけで放射状に距離を定めて高い単価を取るのはどういう論理なのか理解しがたい人も多いはずであり、本当にそれを建設する時にお金が掛かったのか、本当に地価が高い部分はどこなのか、減価償却は終えたのか、渋滞しているのか、等を勘案すれば本当の意味での大都市近郊区間はかなり狭くなるはずであり、民間の目線で考えてもらいたいものである。
