取説には載ってない!Android 7.0開発者オプション解説

端末の取扱説明書には載っていない、Androidの裏モードのような話をします。
Androidにはマニアックな開発者の人たちのために、誰も使わないようなマニアックな設定項目が用意されています。
基本的に開発者オプションの初期設定は「パフォーマンスを落としてもバッテリー持ち重視」というニュアンスの設定になっています。
中にはパフォーマンスを最大限発揮するような設定もありますが、むやみに設定するとバッテリー持ちが極端に悪くなったりする場合もありますので、きちんと検証するなど知識のある方のみ使用をお願いします。

設定→端末情報→ソフトウェア情報→ビルド番号 を連打すると設定の部分に開発者オプションが出現します。
※一度有効にしたら項目を無くすことはできません

・バグレポートを作成
アプリが異常終了した時の動作を選択します。
最近のAndroidは安定しているので滅多に異常終了する事は無いと思います。

・スリープモードに設定
充電中はスリープモードにならないという設定です。
開発者用途以外にもゲームをしたい人にも最適です。

・OEMロック解除
通常、端末にはキャリアなどによるロックがかけられていて、rootがとれないようになっていますが、OEMロック解除をすることでrootがとれるようになります。rootにしないマシンの場合でもむやみにオンにすると脆弱性が高まりますので、専門的な知識のない人は触れないように。

・実行中のサービス
何か起きるわけではなく、単に今実行されているサービスが一覧で表示されるだけです。

・WebViewの実装
アプリ内にブラウザの部品を使っている場合、どのコンポーネントで表示するかを選択します。

・システムを自動更新
お勧めはオンですが、バッテリー使用量等を気にする人はオフで。

・デモモード
端末が初期化されるのでは?怖い、と思う人も居るかもしれませんが、ご安心ください。
ただ単に通知領域の時刻を「7:00」にしてバッテリーを満タンに見せかけるだけの機能です。
アプリのスクリーンショットとかを取るのに便利ですね。

・USB設定
USBを接続した時の端末の動作を設定します。
相手が給電するだけの場合ならよいですが、パソコンと接続する場合やその他の端末と接続する場合で上手く接続できない場合は、ここの設定を変えてみてください。

・タッチを表示
タッチした部分が瞬間的に画面に表示されます。

・ポインターの位置を表示
どこをどう触ったのか、が軌跡で表示されます。

・画面の更新を表示
画面の更新があった時、違う色になって視覚的に表示されます。

・レイアウト範囲を表示
境界やマージン等の細かい範囲を表示します。ボタンやラベル等のUI開発に便利ですね。

・強制RTLレイアウト
要するに、全ての部品が右揃えになるという物です。

・ウインドウアニメ、トランザクションアニメ、Animator再生時間
それぞれアニメーション関係の設定です。バッテリー持ちをよくしたい場合は三項目ともオフがお勧めです。
私はここをオフにするためだけに開発者オプションを有効にしています。

・2次画面シミュレート
画面の中に画面を表示します。

・最小幅
解像度を変えることなく、UI等の配置を大きくしたり小さくしたりできます。
一部のアプリではむやみに変更すると、表示が崩れる場合があるので注意を。

・GPUレンダリングを使用
これを有効にすると高速になりますが、ネットサーフィンなどの負担の軽いものでもGPUを使うのでバッテリー持ちが悪くなります。
それを覚悟でも使いたい人はオンに。

・GPU表示の更新を表示
GPUを使用した時に画面がフラッシュします。

・4x MSAAを有効にする
AAとは、「アンチエイリアシング」の略で、ギザギザの物をサラサラにごまかす技術のことです。
これを有効にするとグラフィックがより綺麗になりますが、少しパフォーマンスが落ちたりバッテリー持ちが悪くなる原因になります。
もっともゲームする時はいつも充電しながらしてるんだ、という人には関係無いのでしょうけど。
※一部ネットの記事では「MSAA有効でサクサクになる」など誤った情報も流れていますので気をつけてください

・HWオーバーレイを無効
画面合成に常時GPUを使用するので、これを有効にするとバッテリー持ちが悪くなる可能性があります。

・カラースペースをシミュレート
色覚異常の人はここから設定できます。有機ELの場合で白黒画面にしたい場合もここから白黒にできます。

・CPU使用状況を表示
画面上にCPUの使用グラフが表示されます。
※一部端末では無限ループに陥る可能性があるので注意してください(再起動で直ります)

・GPUレンダリング分析
バーとして画面に表示を選ぶと、画面を動かすとグラフがにょきにょきと生えてきます。

・アクティビティを破棄
本来は画面を行き来してもそれぞれの状態は保存されているので元のアプリを呼んでも元の画面のまま表示されますが、アクティビティを破棄で設定すると画面が変わる度に内容が破棄されるので、いちいちアプリを終了しているのと似たような扱いになります。

・バックグラウンド処理を制限
例えばブラウザを見ながらアプリのアップデート、などといったバックグラウンド処理を制限する場合は設定します。
バッテリー持ちがよくなるかもしれませんが、端末の使い勝手が大きく下がるのでお勧めしません。

このように開発者オプションはかなりマニアックな設定構成となっていて、一般の人にはまず理解できないような用語や説明が並んでいます。
キャリアのスタッフも知らないでしょうし、知っていたらかなりのオタクと思って間違いありません。
これらの設定を変えたら端末が壊れる、というものではありません。問題が起きたら開発者オプションごとオフにすれば戻ります。
また、劇的にパフォーマンスが上がる、サクサクになる、というものではないですが、おまじない程度に「アニメーションオフ」は設定しておくとよいかもしれません。