総務省がドサクサに紛れてとんでもない方式を認可していたようだ。投資を抑えて早急にカバー率を広げたいソフトバンクからの提案で、電波が良く飛ぶ700MHz帯のいわゆるプラチナバンドで5Gを飛ばす方式を総務省に認めさせた。いわゆる「なんちゃって5G」という奴であり、この方式はソフトバンクとauで採用されている為、これらのユーザーでピクト表示が5Gなのに速度計測して100Mbpsしか出なかった場合は4G基地局の転用である可能性が高い。電波を飛ばせる総量は基地局ごとに限られているので、そこに5Gが割って入ってきたとしても4G以上の速度になる事はない。普通の5Gは500Mbpsとか普通に出るので、100Mbps台というのは5Gにしてはあまりにも低すぎる。携帯会社は「ベストエフォートなので速度は保証しません」と言って逃げるのだろうが、その速度差は明確であり言い逃れるのは難しい。
一方ドコモは「有利誤認・優良誤認に当たる恐れがある」「速度が出ない」等の理由でこの方式は採用せず、完全に新規周波数でのみ5G電波を飛ばすようにしている。総務省が認可した方式なので二社が悪いという訳ではないが、海外ではピクト表示が5Gなのに速度が出ていないじゃないか等と裁判になっている例もある。日本人は繋がるか繋がらないかしか気にせず割と速度はどうでも良い民族なのであまり問題にならないのかもしれないが、私のような都内のあちこちで速度計測をしまくるマニアックな人間からすれば騙しやがったなと思う人も多いだろう。そもそもこういうのが生まれている背景は、SBとKDDIは5G新規基地局を建てる金銭的余裕がドコモに比べれば少ない部分もあるだろう。一部報道ではドコモは国産基地局を使っていて混在を可能にするソフト更新が不可能なので新規で建てるしかないという報道もあったが、それであれば5G競争に関してはドコモの一人負けと言えるかもしれない。もっといえば大手三社で別々の基地局を持つのはもはや無意味かつナンセンスであり、大手三社相乗りすれば良いだけなのになぜしないのか。普通のインターネット接続だって土管は共有でありそこにアカウント情報をぶっ込んでDHCPでIPアドレスをもらってネット通信ができている訳で、携帯でもそこは同じだろう。大手三社で基地局を共有すれば携帯料金の大幅な値下げが可能になるのは言うまでもない。
