「鉄道やめたら?」株主廃線進言 銚子電鉄のレトロ電車乗り必死さに感涙

銚子電鉄といえば一度は聞いた事のある人も多いかもしれないが、鉄道収入が赤字でぬれ煎餅を売って赤字を埋めている珍しい鉄道会社で、もはや菓子製造会社ではないかと言われているぐらいである。先日の株主総会で株主の「鉄道やめたら?」という質問が大きく報道されていたので、実際に銚子電鉄に乗ってみた。基本2両編成で、午前中は30分に1本、午後は1時間に1本というローカル列車である。

こちらは終点となる外川駅である。太陽の塔のような巨大なモニュメントが目を見張る。電車の展示もされており、晴れている時は中に入る事ができる。駐車場は無料となっている。

まるで昭和を彷彿とさせる駅舎であり、中に入ればまるで駄菓子屋のようだ。といっても半分は菓子屋かもしれない。券売機はなく、窓がちょっとだけ開いたまるで宝くじ売り場のような有人窓口があるので、そこで切符を買う。実はこう見えて有人駅なのである。suica等の電子マネーは一切使えず現金のみ。銚子まで片道350円、約20分の道程だ。銚子までの往復なら1日乗り放題券の方が安い。初めて乗る人からすればやはり人に話しかけるというのは抵抗があるので、券売機等も準備してもらいたい物だ。

昔を彷彿とさせるベンチだが、トイレは綺麗に改装されていた。

こちらが一日乗り放題のきっぷ。券を見せると提携店舗で様々なサービスが受けられる。

駅名標もシャレを効かして「ありがとう」というものもあった。

車内の2両編成のうち1両は、このように風船やぬいぐるみ等でデコレーションされている。あまりに客が来ないのか、ぬいぐるみが座っているのは何とも哀愁を感じる所である。銚子駅に着くと即JR東日本の乗換口となっている。銚子駅に着くまでの間に車内検札があり、有効な乗車券類を見せるか、持っていない人は車内で現金で購入する。今時車内検札は特急や新幹線ぐらいでしか見かけないので、極めて珍しい。


実は運行本数自体はJR東とあまり変わらない。編成はJRは最低でも4両編成であるが、こちらは2両編成固定だ。朝の時間帯は2両編成でも乗車率80%ぐらいになる時はあるが、朝だけ儲かってもしょうがないのだろう。駅の事務室にわんちゃんがいた。どうやらここの飼い犬のようである。

「売るものがないので音を売ります」といった自虐ネタ満載の車内広告もあった。右は一応大きな駅扱いの犬吠駅である。

前社長がヨーロッパ風の駅舎にしようとして資金不足で途中で挫折したらしいが、今もその影は残っている。中に入ってみると銚子電鉄のプリクラ機があった。逆立ちしてもJR東には出来ないだろう。

中はこのようになっていて、10時を過ぎると売店等が開くようだ。今回は時間外だったので開いていなかったが、ぬれ煎餅等は通販でも買う事ができる。運賃の電子マネー購入には対応していないが、自販機は電子マネーで買えるのが面白い矛盾という所だろう。一応乗ってみて改善点を思いついたので書いておく。宣伝になるようなSNS撮影スポットを作る、全駅に券売機導入、車内に虫が入ってくるので防虫加工をするか停車中はボタンを押したらドアが開くようにする、JR東にお願いして無償あるいは格安でsuica対応の入退場機器を取り付けてもらう事、時間外は自販機でぬれ煎餅を買えるようにする、車内検札の廃止である。駅係員がいる時間帯は菓子売店も開けて、早朝の客に菓子を買ってもらうのも一つの手だろう。鉄道が赤字の割には結構人手を掛けている印象で、社員の雇用を守りたい思いもあるのだろう。社長は株主から「廃線すべき」と言われても「鉄道とぬれ煎餅は車の両輪であり、鉄道を辞めればぬれ煎餅の売り上げも激減するのは目に見えている」として鉄道の運営を続ける方針。県や市から補助金をもらっている関係もあり、赤字でありながらもどのようにして客を増やすのか、難しい舵取りが求められるだろう。関東圏で古い電車、ローカル列車に興味がある人はぜひ乗ってみてもらいたい。