コンビニ電子マネー POSAカードやギフト券で金払えは全て詐欺!

現在小売店には、毎月のように警察から注意文書が届いています。特にここ数年、その頻度が増しています。
内容としては「詐欺にご注意、お客様に啓発を」という旨ですが、どのような詐欺が増えているのかまとめてみたいと思います。

身に覚えのない「コンビニで支払って」は100%詐欺です!

1.POSAカード詐欺(電子マネー詐欺)
典型的な詐欺です。
法務省管轄局○○センターなど実在しない組織名を挙げ、「携帯料金が未払い」「通信料金が未払い」「未払い料金がある」「動画サイトの利用料が未払い」「還付金がある」「儲かる」「1億円当選した」「税金対策で金を譲る」「ウイルスに感染した」「個人情報が漏れている」「カード不正利用がある」「カードの磁気が無効」「料金未納」「パソコンの修理代が必要」「会員登録された」「裁判にする」「差押えする」「法的措置に移行」「訴訟開始」「今払えば弁護士費用のみ」「アダルトサイト利用した」「有料コンテンツ加入した」「権利に当選した」「支払金、キャンセル料、保証金、解約料が必要」「会員登録料、延滞金、登録手数料必要」「払わないと家族や職場に連絡」「ケガしたので払って」など文言は色々ありますが全て詐欺です。身に覚えのない支払いは全て詐欺です。
最近は店員に聞かれても何の支払いか答えるな、詳細は言うなと指示があるようですが、そういう指示は無視を。「聞かれても答えるな」の時点で詐欺です。店員に聞かれたらどういう経緯でどうなったのか、全て店員に隠さずお話し下さい。店員は接客のプロで何千人と客を見てきていて挙動が不審なので聞いています。店員を信用して下さい。買い方分からない、理由は分からない、今日中に、早く払えと言われている、でもOKです。
はがきやメールを送りつけ電話したら店頭に並べられている電子マネー、厳密にはPOSAカード(Amazonギフト券やグーグルのカード)で高額なものを買わせる詐欺ですが、一部の店では高額POSAを撤去する動きがあるほか、レジでの確認画面表示、1万円以上の購入については店員が声かけするなど対策が進んでいます。もっともギフト目的での購入はほとんどなく、コンビニの日販向上のために置かれた商品ですが、そのほとんどが詐欺のために使われているのが悲しい現実です。
警察からの注意文書でも不審な場合は理由を聞くなど声かけをして欲しい、理由が怪しい場合は即警察通報という内容が記されています。
昔の振り込め詐欺と手口は一緒ですが犯人からしても「口座を止められる心配が無い」などの理由で近年非常に増えている詐欺です。

2.ATM詐欺
店頭のATMを操作して振り込み操作を行う指示をさせるATM詐欺も尚健在です。
コンビニATMには防犯カメラと電話が備え付けられており、警備会社によって常時監視されていますが、利用者からのアクションがないと動かないので電話しながらの操作や長時間利用を怪しく思った店員が声かけしたところ詐欺だったという案件もあります。警察や銀行、役所がカード貸して、金を振り込め、還付金がある、口座番号や暗証番号を教えて等と言うことはありません。

3.マルチ端末詐欺
「店頭のマルチ端末(loppi,ファミポート)を操作して」という新たな詐欺が増えています。マルチ端末はミニストップ・ローソンとファミリーマート(セブンはコピー機)にありますが、これを操作するとギフト券が発券できることを悪用し、知識のない高齢者等に電話で指示し、支払いを完了させたと見せかけてギフト券を発券させる極めて分かりづらい詐欺です。
POSAサーバーが落ちた時のことも考え自社サーバーでAmazonギフト券などが発券できるようになっていますが、これを悪用したものです。

4.架空商品(支払番号)詐欺
犯人がAmazon等で高額商品を注文し、それをコンビニ払いとする詐欺です。
具体的には電話等でコンビニに誘導させ、「マルチ端末でこの番号を入力して」とすると支払い券が発券され、客は支払いが完了したように見えるが、実際は犯人が欲しい商品が購入されていることになるという詐欺です。
支払い情報も個人情報保護のため多くは表示されず、「amazon」「楽天」「メルカリ」程度しか表示されないため、店員も判別は困難です。
高額支払いの場合の声かけしか対処法はありません。

5.複数店利用
上のように一度の高額利用であれば店員も気づくと詐欺集団も考えているのか、1万円の支払いを5店舗でやってくれというパターンもあるようです。電話しながら来店したり、不安そうな面持ち、焦っている、急いでいる、購入後カードを写真撮影であれば声かけでこの事案は阻止できます。

コンビニに感謝状も
最近はコンビニ店舗で水際阻止が増えるようになっていて警察が感謝状を贈る報道が増えています。レジ前で電話やメールをしながら買おうとしていたり購入時の挙動が不審、不安がっている、様子がおかしい、早く払えと言われている、「アダルト」「ウェブマネー」「キャンセル料」などのメモが決め手になったという報道が多いです。詐欺はれっきとした犯罪です。犯人側ももうこの手の詐欺は通用しないので諦めましょう。

店舗側の対策は
店舗側としては「購入や支払いは自己責任」という名の下に、ほとんど何の対策もなされていないのが実態です。
本部側も対策を強くしすぎると売上が落ちるという懸念があるようですがそれは詐欺グループの味方をしていることになります。
またあるチェーンのみが対策を実施しても客としては「支払えないなら他の店で支払いますので」ということになり、その店では食い止められても客は結局どこかの店で払ってしまうのが現状です。
早急にリアル店舗でのPOSAカード購入は全廃するか、1,000円のみといった小額にするなど業界全体での対策が求められています。
またマルチ端末でのギフト券購入や支払い番号を使った購入方法も見直しが求められています。

取り消し処理が可能
POSAカードは、店舗側でのリアルタイム取り消し処理が可能となっています。
例えば1234という番号のカードを現金で支払うことでレジで有効化されますが、犯人が未使用であればそのカードを無効化してレジで返金することが可能です。犯人が使ってしまった場合は取消処理時にレジエラー表示となりますが警察が事業者に問い合わせれば返金できる場合もあります。
なのでもし仮に買ったとしても犯人がそのカードを使う前であれば無効化できますので、速やかにレジ従業員に依頼して下さい。

まず上のような文言のはがき・メール・SNSや電話が来ても無視し、支払いを督促されたら警察に相談するようにしましょう。
身に覚えのないはがき・メール・電話で代金支払っては全て詐欺です!
自分では詐欺かどうか分からず混乱しているがために「詐欺ではない」「早く払わないと」「支払えば解決する」と考えてしまい支払う動きになりがちですが、行動する前に冷静になって第三者の意見を必ず聞いて下さい。
最初は小額な振り込み(例えば1,000円や1万円)等で信じて振り込んでいけると思った客には1万円を5店舗で買ってこい、10万円を・・・というケースが多く報告されています。例え1,000円でも怪しいと思ったら行動しない、まずは#9110に電話や警察に相談する事を強くお勧めします。