警察庁通達「取締の為の取締はしない」が最近全く守られていない件

昭和42年8月1日に警察庁が出した通達がある。

いわゆる点数主義に堕した検挙のための検挙あるいは取り締まりやすいものだけを取り締まる安易な取り締まりに陥ることを避けるとともに、危険性の少ない軽微な違反に対しては、警告による指導を積極的に行うこととし、ことさら身を隠して取締りを行ったり予防または制止すべきにもかかわらず、これを黙認してのち検挙したりすることの無いよう留意すること。

昭和61年10月21日にも警察庁が通達を出している。

交通指導取締りの適正な運用
(1)該当指導活動等の徹底
広報及び該当指導活動を強化し、道路交通関係法令違反の未然防止に努めること。
(2)取締りの適正な実施
取締りに当たつては、取締りのための取締りとなることのないよう特に配慮するとともに、交通の実態、交通事故の発生状況、国民のニーズ等を的確に分析し、交通事故に直結する危険性の高い違反、繰り返し違反を犯す悪質な運転者の違反、交通の円滑な流れを阻害し、他の運転者に著しい迷惑を及ぼし、ひいては善良な運転者の遵法意識をも低下させることとなるような違反等を重点とした取締りを実施すること。
(3)指導教養の徹底
取締りの場所、時間帯、内容、取締りに当たつての応接態度等について、指導教養を徹底し、適正、妥当な取締りが行われるよう努めること。

これら2つの通達は現在は廃止されているようであるが、廃止されたから知らぬ存ぜぬという姿勢は問題のように感じる。YouTube等に多数アップされている警視庁管内、あるいは北海道警、埼玉県警の取締動画を見ると、特に今年に入ってから皆が間違えやすい罠のような交差点で指定通行区分違反で切符を切ったり、駅前等のような元々歩行者の多い場所あるいは身内が演技して歩行者等妨害等違反で切符を切ったり、茂みに隠れてコソコソ移動オービスや光電管を稼働させてスピード違反で切符を切ったりしている動画を多数見かける。ドライバーに対して違反を切る前にその道路の構造を変えるべきなのに、なぜしないのか。道路の速度は公安委員会、つまり身内で決められるのだから線形の良い道路ならむしろ最高速度を上げるべきなのである。違反を切った件数や反則金の金額が多ければ多いほど優秀な人と見なすのではなく、厳重注意した人が多ければ多いほど優秀とするように仕組みを変えるべきである。反則金至上主義、件数至上主義はドライバーの安全運転に資する方法とは言えず皆にとって不幸でしかないので、そろそろ考え方を改めるべきである。スピード違反に関しても白パトを高速で追い抜けばそれは違反かもしれないが、覆面等の一般車に見せかけてこっそり計測して違反を切るようなやり方はまさに「取締の為の取締」であり、実態に即しているとは言えない。政府も感染症対策でカネを配ってカネがないから税外収入を強化したいのかもしれないが、感染症はドライバーのせいではない訳で、その責任を押しつける形でドライバーの違反取締を強化するやり方は適切とは言えない。むしろ感染症対策という点で言えば電車で移動するよりも自動車移動が安全であるのは理屈上も明らかで異論無いはずだが、関係者はどう考えているのか。五輪があるから取締を強化等と警視庁は言っているが、ドライバーと五輪は全く関係ない訳で、もはや理屈として全く成り立っていない。昭和42年の警察庁通達通りの運用を行って欲しいものである。