接触確認アプリ 「大量通知」「覚えない通知」なぜ届く?

マスコミ等で接触確認アプリで陽性通知が出て、「睡眠取れませんでした」「仕事休みました」という女性が報道されていましたが、マスコミの報道のせいで接触確認アプリに過度な期待をしているのもまた事実。厚労省のお墨付きでグーグルやアップルの共同開発、これは事実ですが、
・感染予防をする物ではありません。
・感染を回避できる物でもありません。
・通知が来たから絶対に感染しているわけでもありません。
ここをしっかり報道する必要があると思います。
じゃあこのアプリは何なのかというと、スマホの近距離通信技術(Bluetooth)を用いて、15分以上一定の範囲にいた人の符号を端末内に記録し、後日陽性者がその中にいたらその集団に対して通知されるアプリです。要は開発速度を重視したがために、中身自体は結構シンプルというかザルなのです。開発者からすれば鼻で笑うレベルですが、まぁ無いよりはマシという程度でしょう。本当に陽性確認したければ携帯会社の契約情報を使って実名でGPSを使って全部記録するしかないですが、人権や民主主義にうるさい日本ではそれは無理でしょう。
厚労省は「15分以上・1m以内」と言っていますが、Bluetoothを普段使っている人間からすると厳密に1m測っているのかという疑問が浮かびます。Bluetoothというのは電波です。スマホに採用されているBluetoothはClass 2が主流でしょう。つまり、1m以上でも届きますし、規格上は10mですが8~9m程度は届くでしょう。電波ですから上の階や下の階、隣の部屋、違う建物でも「濃厚接触」として記録される可能性は十分あり得ます。これによって本人は濃厚接触をした覚えがないのに通知が届いて「あれ、おかしいな」となるわけです。本来濃厚接触というのは同じ部屋に長時間いることを指しますが、違う建物にいても濃厚接触扱いになるのです。これはBluetoothの技術の限界です。近くにいる事は分かるけど位置や上下関係までは分かりませんから。
また、中央サーバーから陽性者符号を出す運用のはずですが、理論上、符号がコリジョンする可能性も否定できません。例えば九州と東京の端末符号がコリジョンすれば、一方は正しく運用されるとしても、もう一方は陰性なのに陽性、すなわち全く身に覚えがないのに、外にも出ていないのに陽性通知を受けたという人も出てくるわけです。それゆえに「絶対に感染しているわけではありません」という注釈がついています。
通知が届いたらすぐニュースになり、市職員に一斉に届いたらそれもニュースになり、不具合が出たらすぐニュースになってアプリを叩く風潮がありますが、私もソフト開発をしているので分かりますが、アプリ開発はバグとの戦いです。バグが消える事は絶対にありません。一生続くモグラ叩きと一緒です。利用者も叩かず温かく見守らないと開発者が萎縮しかねません。ましてや今回は開発期間もそれほどなく、スマホの技術を使った簡易なシステムで役に立てればと海外や国内の開発者等がオープンソースで開発したのです。それをあたかも「国公認の完璧なシステム」のように報じるのは間違っていますし、あくまでも目安程度に利用しないと感染症以前にアプリに振り回される人が多数出てくるのは時間の問題でしょう。