なぜメルカリには出品前本人確認がないのか

CMが大量放映され、今勢いのあるフリマサービス「メルカリ」
しかし私はこのブームは長くは続かないと考えています。なぜなら今のシステムには大きな盲点があるからです。
最近も盗まれた本が出品された、盗まれた野球ボールが出品されたなどとメルカリが経由となっている事件が多数報道されています。
メルカリは泥棒市場だという報道に対して抗議していますが、なぜ泥棒市場と言われるようになったのでしょうか。
抗議するほど完璧なシステムとは思えませんし、隙を突かれて困るから抗議という方が正しいでしょう。

→年内にも出品前の本人確認を義務化するという報道が入りましたが、口座の氏名を確認するだけのようです。多少の対策にはなりますが、古物営業法の定めた内容とは大きくかけ離れています。
メルカリ社長が休暇を取ったタイミングでこの内容を発表しました。つまりメルカリはもう長く続かないことを意味しています。

一番は、本人確認(住所による認証)がないことです。
古物営業法では、ネットにて出品、つまり物を売るすべての人は古物商免許の有無に関わらず出品前に身分証明書等による確認(しかも初回は単なる身分証アップロードでは不可で郵送到達確認が必要)が義務づけられていますが、メルカリにはそれがありません。
警察から確認するよう指導されていますが、これを「出品数が減る」「敷居が上がる」などという理由で無視しています。
本人確認をしないと、法律で禁止されている18歳未満の売却や、どこのだれから買うのかがわからないことはもちろん、万引きや窃盗、盗難など不正な方法で入手した商品を購入し、後で返せということになりかねません。ヤフオクとは異なり、すべてのプロセスでお互いの住所や名前は開示されません。
本人確認がないことで、それを悪く利用して「本人確認をされると困る」出品者が出品をしているのです。もちろん18歳未満の出品も可能になるわけです。アプリさえ使えれば小学生でも出品や落札が可能になるのです。
これはサービス全体の秩序を乱すことにつながり、運営もパトロールを強化などといっていますが、利用者からは全然だという声が聞こえてきます。おそらく急拡大しすぎてパトロールが追いついていないのでしょう。仮にパトロールしても相手は賢いので、あの手この手で文言や端末を変えてでも出品を繰り返します。私はメルカリのアカウントを持っていないので不明ですが、どうやら誰でも写真と説明文さえあれば出品できるようです。こわいこわい。
そういう私はヤフオクで本人確認済みです。もちろんやりましたよ郵送到達確認。

また、自分で使用する範囲を超えて中古商品を繰り返し出品(営業として利益を上げる状態)する場合は個人であっても古物商許可を取得する必要があります。つまり「せどり」がこれにあたります。開演前のチケットでも中古とみなされます。
ただ面倒すぎてほとんどの人はやっておらず、野放しになっているのが現状。
古物商許可を取得していない場合で悪質な場合は、逮捕となる場合もあります。

既に世の中は「やましいことがあるから本人確認しないのでは」という流れになっており、メルカリに出品前の本人確認機能をつけるか、つけないのであればサービス廃止という議論もされています。
メール便と概ね同等のサービスであるネコポスの範囲に収めるため梱包材のない簡易な包装や、値下げ交渉、出品者と連絡がとれない、悪い評価をつけられる、○○さん限定出品に他の人が落札したら怒られたなど、多くのトラブルも報告されています。
それにしても、スマホが普及していて本人確認の方法も郵送以外にもヤフーはSMSによる確認も導入しているにもかかわらず、未だに何の確認方法も実装していないのはやはり闇があるとしか思えません。今のネットは善良な人ばかりではありません。早急な対策を望みます。被害に遭うのはメルカリと何ら関係の無い人々なのですから。