ネット民「高速の追越車線鎮座も道交法で検挙すべき」も走り続ける事情

高速道路や煽り運転の話題が出るとよく「高速の追越車線で走り続ける輩も検挙すべき」「煽り運転のみならず煽られ運転も検挙すべき」という意見がよく出てくるが、まず追越車線の意味を理解する必要がある。追越車線の定義をよく理解しておらずただ左だけを走り続けるべきという意見が散見されるが、いくら煽られ運転なる物が存在していたとしても煽る方が100%悪いのは言うまでもない。
道交法 第20条(車両通行帯)

車両は、車両通行帯の設けられた道路においては、道路の左側端から数えて一番目の車両通行帯を通行しなければならない。ただし、自動車は、当該道路の左側部分に三以上の車両通行帯が設けられているときは、政令で定めるところにより、その速度に応じ、その最も右側の車両通行帯以外の車両通行帯を通行することができる。
3 追越しをするときは、その通行している車両通行帯の直近の右側の車両通行帯を通行しなければならない。

道交法 第27条(他の車両に追いつかれた車両の義務)

車両は、第二十二条第一項の規定に基づく政令で定める最高速度が高い車両に追いつかれたときは、その追いついた車両が当該車両の追越しを終わるまで速度を増してはならない。最高速度が同じであるか又は低い車両に追いつかれ、かつ、その追いついた車両の速度よりもおそい速度で引き続き進行しようとするときも、同様とする。

根拠として第27条を挙げる人がいるが、よく読むとこれは「最高速度の高い車に追いつかれても速度を増すなよ」という事で、つまり追い越そうとしている車両を妨害するなという事であり、これがあるから左に寄れとか追い越し車線に鎮座するのは違法だと言う事にはならない。

特に関東では片側3車線の高速が多いが、その場合は一番右車線のみが追越車線となり、2番目が追越車線でない以上、つまり1と2は行き来自由という事になる。1と2はどちらを走っていても周囲の車の有無に関わらず通行帯区分違反となる事はない。どれが走行車線で、どれが追越車線かというのは高速道路上の掲示にもしっかり出ているはずだ。キープレフトだと言ってくる人がいるが、キープレフトは車線の中でも左寄りを走りましょうという事であり、左車線を走りましょうという事ではない。

また片側2車線以下の高速道路においては、法律上も「原則一車線目を走行しなければならない」とあるが、「やむを得ない時はそれ以外の車線を走行してもよい」と書いてある。例えば前の車が遅い、あるいは工事等、やむを得ない理由があればそれ以外の車線を走行しても構わない。しかし他の車両がいないにも関わらず無目的で追越車線を周囲の流れよりも低い速度で走り続ける行為は違反と言えるだろう。追い越す側も追い越す際には最高速度を超えないように追い越しをしなければならない。
高速道路において一番左以外の車線を走り続ける理由としては、PA/SAの出口から来る車の処理が面倒、あるいはICやJCTから入ってくる車の処理が面倒という理由がある。例えば片側2車線だと一番右は追越だから空けるにしても、実際の慣例としてPA/SAやICランプから誰かが入ってくるのが見えたら、殆どの車は一時的に追越車線に待避しているだろう。区間によってはPA/SAやICが連続している区間もあるのでいちいち車線変更が面倒だという理由もある。ネット民はこれらの事情を知らずに机上の空論で切り取って「常に左を走り続けるべき」と言っているが、実際に走ってみればそれが無理という事は明らかな訳であり、免許を持たずにただ批判だけしている人は免許を取って高速を走ってくれと言いたい物である。