なぜディーラーは自動車保険を抱き合わせ販売するのか

本来は禁止されているようですが、ズバリ、利益があるからです。
代理店へのキックバックは客が毎月払う保険料の1~2割程度です。
なので基本的に保険料が下がると困るのでなるべく保険を使うよう誘導し、見直してと言っても年齢条件や免許の色程度で、補償内容を下げることはあまり提案しません。

本来自動車保険は「任意保険」なので契約する必要は無いわけですが、自賠責だと限界があるという名目で、事実上強制保険となっています。
ディーラーが勧める会社の自動車保険(例えば東京海上のような)に加入することで
○○さん、何かあった時も店で対応できますよ!すべて任せてください安心です!というわけですが、実際ディーラーはあまり仕事していません。
携帯会社でいうと「SIMカードはこっちで用意するから本体だけくれ」という客ですよね。「いや、それはできません」とほとんど断られると思いますが、抱き合わせ拒否もこれと同じぐらいでほとんどできないのが実態です。
車を買う=保険もそこで申し込むのがもはや当たり前になっていますが、マスコミも誰も報道しませんし行政の規制もないし野放し状態です。

車の購入時に値引きしすぎて店長決裁となった場合、店長が言ってくるのが「本当はダメなのですが、ここまでお値引き頑張らせて頂きました。一つお願いがありまして、保険を当社に移して頂けないでしょうか?」と交渉決裂もありうるぞというニュアンスで保険を移せと言ってきます。
※この場合の移すとは、例え同じ会社であっても車両入替ではなく旧代理店は解約してくれということです
「いや、拒否れば?」と思うかもしれませんが、実際体験すると1時間待たされたあげくこれなので現場のぴりぴりムードに負けてしまいますね。
こうなるともう後戻りできないので、渋々移している客も多いでしょう。
そして比較サイトや車雑誌等で「○○万円値引きゲット!」と書いているようですが、それは保険料アップ分やキャッシュバック分を考慮していないので、意味がありません。
もし全く同じ会社で全く同じ等級だった場合には客の損はないことになりますが、もしキャッシュバックが10万だった場合店からすれば「この客20万値引きで喜んでるけど新規獲得だから10万入る。だから10万しか痛まないラッキー」ということです。
幸いにも代理店型保険の契約には縛りも違約金もないので半年だけ契約してよそに移ることも可能ですが、1等級損するということも言われていますので更新日以外の乗り換えは注意が必要です。
要は何が言いたいかというと、そのディーラーの勧める保険会社ではなく全く同等の補償でダイレクト型にすればその代理店手数料はないわけですからその分は安くなりますよ、ということです。代理店に払う10万を払わなくて済むのです。

ダイレクト型に移る移らないはともかくとして、「保険はいかがなさいますか?」というソフトな表現にし、客に選択肢を与えるべきです。