auとソフトバンクの2社は2011秋冬モデルの発表会を9月に前倒し実施、ドコモも10月に実施して出揃ったため、今回は発表されたハイスペックなスマートフォンの機能などを比較したいと思います。(本来は発表直後の9月末に公開予定でしたが、当方の多忙により延期させていただきました)
<スペック表について>
○・・・対応 △・・・後日アップデート対応 ×・・・非対応 -・・・排他的非対応
・あくまで執筆時点の情報であるため、今後情報が変更になる可能性があります。(OSのアップデート、毎月割価格など。基本的には追随修正なし)
・信頼できるネット情報だけでは確認できないものについては「?」とし、情報が入り次第随時更新します。
・ソースが求められそうな項目には事実証明のためできるだけリンクを張っています。
・キャリアが異なる機種の項目は、auに準ずる機能を搭載しているかどうかとします。
・用語解説については、2010秋冬、2011夏の記事をご覧ください。
・比較の項目については、今現在では当たり前になった項目は外して、逆にユーザーが気にするであろうものを優先的に比較項目に取り込んでいます。
赤文字の基準・・・下線部以外=表内で少数対応、その機種の特長となりうる部分。 下線部=対応している、またはスペックが他より高い。
機種名 |
ARROWS Z ISW11F |
HTC EVO 3D ISW12HT |
MOTOROLA PHOTON ISW11M |
102SH | GALAXY SⅡ LTE SC-03D | IS12SH(参考) |
・概要 | ||||||
メーカー | 富士通東芝 | HTC | モトローラ | シャープ | サムスン | シャープ |
連続待受(時間) | 290 | 320 | 138 | ? | ? | 280 |
連続通話(分) | 330 | 450 | 530 | ? | ? | 480 |
発売日 | 11月下旬以降 | 10/7 | 10/7 | 12月上旬以降 | 11~12月 | 2011/6/29 |
本体価格 | ? | 63,000 | 63,000 | ? | ? | 73,500 |
毎月割 | ? |
新規 1,750*24 増設 1,540*24 |
新規 1,750*24 増設 1,540*24 |
? | ? | 統一 1,700 |
実質価格 | 3万円台 |
新規 21,000 増設 26,040 |
新規 21,000 増設 26,040 |
? | 3万円台後半 | 統一 32,700 |
・ディスプレイ | ||||||
解像度(ピクセル) | 1280*720 | 960*540 | 960*540 | 1280*720 | 800*480 | 960*540 |
タイプ | TFT | TFT | TFT | NewモバイルASV | 有機EL | NewモバイルASV |
サイズ(インチ) | 4.3 | 4.3 | 4.3 | 4.5 | 4.5 | 4.2 |
ppi | 341.54 | 256.15 | 256.15 | 326.36 | 207.32 | 262.25 |
表示色数(万色) | 1677 | 1677 | 1677 | 1677 | 1677 | 26 |
裸眼3D表示 | × | ○ | × | ○ | × | ○ |
機種名 | ISW11F | ISW12HT | ISW11M | 102SH | Galaxy S Ⅱ LTE | IS12SH(参考) |
・カメラ | ||||||
カメラ画素 | 1310 裏面CMOS |
2D:500 3D:200 CMOS×2 |
800 CMOS | 1210 裏面CMOS | 810 CMOS | 805 CMOS×2 |
インカメラ | 130 CMOS | 130 CMOS | 30 CMOS | 30 CMOS | 200 CMOS | 31 CMOS |
3D撮影(写真・動画) | × | ○ | × | × | × | ○ |
HD動画撮影 | 1080p | 1080p | 720p | 1080p | 1080p | 720p |
シャッターボタン | ○ | ○ | ○ | ○ | × | ○ |
・基本 | ||||||
Android | 2.3.5 | 2.3.4 | 2.3.4 | 2.3 | 2.3.5 | 2.3.3 |
CPU | OMAP4430 1.2GHz | MSM8660 1.2GHz | Tegra 2 1GHz | OMAP4430 1GHz | APQ8060 1.5GHz | MSM8655T 1.4GHz |
コア数 | 2 | 2 | 2 | 2 | 2 | 1 |
RAM | 1GB | 1GB | 1GB | 1GB | 1GB | 512MB |
ROM(本体ストレージ) | 8GB | 4GB | 16GB | 2.2GB | 16GB | 2GB |
ROM空き容量 | 6GB | 1.1GB | 16GB | ? | ? | 1.1GB |
最大通信速度 (受信/送信:bps) |
3G:9.2M/5.5M WiMAX:40M/10M |
3G:3.1M/1.8M WiMAX:40M/10M |
3G:3.1M/1.8M WiMAX:40M/10M |
3G:14.4M/5.76M DC-HSDPA(4G):21M/5.7M |
3G:14M/5.7M Xi(LTE):37.5M/14M |
3G:9.2M/5.5M |
テザリング | ○(WiMAX) | ○(WiMAX) | ○(WiMAX) | × | ○(有料) | × |
マルチタッチ点数 | ? | 4 | 2 | ? | 10 | 5 |
機種名 | ISW11F | ISW12HT | ISW11M | 102SH | Galaxy S Ⅱ LTE | IS12SH(参考) |
・搭載機能 | ||||||
ワンセグ | ○ | × | × | ○ | × | ○ |
予約録画 | ? | – | – | ○ | – | ○ |
お財布 | ○ | × | × | ○ | × | ○ |
赤外線 | ○ | × | × | ○ | × | ○ |
伝言メモ | ? | × | × | ○ | × | ○ |
Eメール | ○(共通メーラー) | ○(共通メーラー) | ○(共通メーラー) | ○(シャープ独自) | ○ | ○(シャープ独自) |
Cメール(SMS) | ○ | ○ |
受信のみ (送信は来年 アップデート対応) |
○ | ○ | ○ |
緊急地震速報 | ○ | ○ | ○ | ○ | ? | ○ |
無線LAN | b/g/n | b/g/n | b/g/n | b/g/n | a/b/g/n | b/g/n |
GSM | ○ | × | × | ○ | ○ | × |
Bluetooth | 2.1 | 3.0 | 2.1+EDR | 3.0 | 3.0+HS | 3.0+EDR |
日本語入力 | ATOK | iWnn | iWnn | iWnn SH | iWnn | iWnn SH |
画面キャプチャ | × | ○ | × | ○ | × | ○ |
ベールビュー | × | × | × | ○ | × | ○ |
地デジ持ち出し | ○ | × | × | ○ | × | ○ |
AOSS | ? | × | × | ○ | × | ○ |
FM機能 | トランスミッター | ラジオ | ラジオ | × | × | × |
DLNA | ○ | ? | ○ | ? | ? | ○ |
機種名 | ISW11F | ISW12HT | ISW11M | 102SH | Galaxy S Ⅱ LTE | IS12SH(参考) |
・外部 | ||||||
幅*高さ*厚さ(mm) | 64*128*10.0 | 65*126*12 | 67*127*12.2 | 65*128*9.7 | 69.6*130.6*9.5 | 64*130*12.5 |
重さ(g) | 131 | 171 | 158 | 135 | 135.5 | 145 |
形状 | ストレート | ストレート | ストレート | ストレート | ストレート | ストレート |
防水防塵 | ○ | × | × | ○ | × | × |
カラー | ○ ● ● ● | ● | ● | ○ ● ● | ● | ○ ● ● |
ゴリラガラス | × | ○ | ○ | × | ○ | × |
microHDMI | ○ | ○ | ○ | ? | ○ | ○ |
卓上充電 | ○ | ○ | ○ | ○ | ? | × |
無線充電qi | × | × | × | × | × | × |
バッテリー | 1,460mAh | 1,730mAh | 1,650mAh | 1,520mAh | 1,850mAh | 1,240mAh |
付属SD容量 | ? | 8GB | × | 4GB | ? | 2GB |
不安要素 |
最新チップ採用の 一方、バグ多し |
・ガラケー機能非対応 ・高速3G非対応 |
・Cメール送信年明け対応 ・高速3G非対応 |
・3D撮影不可 | ・ガラケー機能非対応 |
・背面デザイン ・起動に2分? |
端末スペックについては、前回説明していたことが現実となり、デュアルコアの1GBRAMは当たり前、さらにはディスプレイ解像度を4.5インチ720p(1280*720)まで上げてきた機種もあります。これは想定外でした。
ROM増やしたいならSDカードを挿せばいいと言いますが、案外スマートフォンを使っているとROMの容量の重要さに気づかされます。ROMを占有するメインのコンテンツはアプリケーションでありますが、中にはSDカードに移動できないアプリケーションもあります。また、androidではSDカードは「外部ストレージ」であるため、パソコンで言えば内部にUSBフラッシュメモリが刺さってる感覚ですね。パソコンのハードディスクは「どんどん汚してしまえ」ですが、スマートフォンのROMは容量が少ない場合は「大事にとっておきたい」という考えが働いて、大容量アプリを積極的にダウンロードしなくなったりと、いろいろと行動が制限されてしまうので、ぜひとも大容量ROMを搭載してほしいところです。
バッテリーについては海外端末は積極的に大容量バッテリーを搭載していますが、国内端末は品質重視で爆発するのが怖いのか(爆発を肯定する向きではありませんが)どれだけ頑張っても1,500前後で止まってしまっています。(1,500の壁?)
バッテリー自体を技術革新せよといいますが、もしそれができないのであれば、内部のチップセットを革新して最適化して小さくして、バッテリーに割り当てる領域を大きくすればどうですか?もちろんコストや製造ラインの都合などいろいろ響いてくるかと思いますが、インテルなんて数年に一度新しいプロセスラインでCPUを製造しています。これができないのであれば、国内、いや海外で戦っていくことはできないでしょうね。
ノートパソコンを製造しているNECや富士通、などあの辺であればバッテリーの技術もある程度持っているのではないでしょうか。容量としてはデュアルコア高解像度大画面ディスプレイで負荷も増えるでしょうから、2011夏モデルの倍となる2,400mAh程度は必要となってくるでしょうね。ここまで来て、ようやく一人前です。大容量バッテリーのせいで多少端末が重くなっても厚くなったとしても、ユーザー需要は変わらないのではないでしょうか。これもスペックがハイエンドであればの話ですけど。
ソフトバンクの発表会では特に目立ったニュースはなかったようですが、auではiPhone発売の噂もあって、かなり盛り上がったようです。(当方auユーザーですので過大評価している点があるかもしれませんが)
IS03やIS12T、WiMAXのevoなどを通じて「ワクワク感」を訴えてきた田中社長でありますが、今回は「Android au」のサイトを終了してまで、
「未来は、選べる。」を宣伝文句としました。表向きはWindows Phoneも出てきてAndroid=auと言えなくなったというのが理由らしいですが、ユーザーニーズがそれほど高くないWindows Phone一機だけではこうもはならないと思います。前述の通り、Appleから何らかの圧力がかかっていると言っても過言ではないでしょう。過去には「iPhone auサイトは存在いたしません。」とわざわざ記述していたあたりもなんだか怪しい。普通なら404エラー出すでしょう。index.html置いてるあたりが無知な社員がいる象徴かなと。
以下は、少しばかり今回の発表会で田中社長が述べた考え方をまとめています。
・通信事業者は、今まで制約(テザリングなど)を設けすぎたのではないか
→テザリングを+525円の安価(今現在は期間限定で無料)で解放したevo WiMAXのユーザ満足度 91%(テザリング) 82%(サクサク)
→「ここまで満足度の高い端末は今まで無い」 ユーザーの不自由を取り去って回線・端末共にサクサクにしたのが要因
・新キャッチフレーズ「未来は、選べる。」
→今まで回線事業者は、自己の論理をお客様に押しつけてきた
論理=スマートフォンとはこうあるべき、ガラケーとはこうあるべき
「Android au」も、ある意味auユーザーならばiPhoneは諦めてandroidを使いなさいという論理と言える
→ユーザーの思いを受け止めて選択肢を用意すれば、業績は後からついてくる
evo発表会の際に「収入が少しばかり減ってもいい」という発言からも余裕が見える
→WiMAX端末を用意して、オフロードすることで3G品質を維持したい姿勢の現れ
ハイスペックのスマートフォンの機能を比較して、さらなる高機能化、高性能化の必要性を世に向けて発信してきたこの「スマートフォン比較」企画ですが、2011秋冬モデルにおいて、メーカーが反省して高性能の必要性を認識して、結果として私が求めるスペックにほぼ達したスマートフォンがいくつか出てきたこと、そしてスマートフォンユーザーも増えて宣伝的要素が薄まってきたことなども踏まえ、これ以降のモデルについては発展を見守っていくこととし、最新のスマートフォンスペックを追随、追いかけるのはこの記事で最後といたします。
あと数年すれば(というかdocomoは今の時点で実現していますが)各社ともLTEを搭載したスマートフォンを発売して、CPUもパソコンと同じ3コア(トリプル)、4コア(クアッド)の時代をたどっていくことでしょう。
最後に、auのスマートフォンの歩みを書いておきます。
"ストレート型"Androidスマートフォンを世に送り出した最初の端末はIS03(シャープ・2010年11月)。
「日本独自の機能を搭載!」としてアピールしましたが、スペックを求めるユーザーからは少しばかり文句も出たりしました。
それでも、全体としては滑り出しは順調と評価されました。
2010年秋冬期は1カ月に1つ何らかのスマートフォンを発売(11月=IS03、12月=IS06、2月=IS04、3月=IS05)するというペースで、中でも悪い意味で注目を浴びたIS04(富士通東芝製・2011年2月)は、防水や、デザインを重視したユーザーからは好まれましたが、中のソフトは不具合満載といわれ、強制再起動などに見舞われて安定性の低いスマートフォンと評されました。
一方、IS05(シャープ製・2011年3月)は、概ね評価のよかったスマートフォンです。メーカーのノウハウというものは、製品の品質に顕著な影響が現れるということを、多くのユーザーが実感したものです。
ガラケーと同じく、スペックが頭打ちになれば、今度はデ
今後、変わったデザインのスマートフォンが出てきたときには、スペックが頭打ちになってきて苦戦している、ということです。これからの動向に期待です。