Windows 10で「ViX」は動くのか 痒い所に手が届く高機能画像ビュワー

Windows 2000やXPなどが一世を風靡していた頃、パソコンユーザーのほぼ全員が知っている画像管理ソフトがあった。ViXだ。
商用ソフト並みの高機能さと痒い所に手が届く気が利く機能を多数有しておりながら完全無料のフリーソフトとして大人気となった。(作者曰くつまらなくなった時点で開発を辞めるという事が公式ページに宣言してあり、2001年頃につまらなくなったのだろう)
readme.txtには以下のような記述がある。

私はフリーソフトウェアの開発と公開によって、自分にメリットのないことはやっているつもりはありません。無償配布だからといって私が善意の、高潔な志を持つ親切なボランティアだとお考えになるのは誤りです。むしろ私は、傲慢で貪欲、かつ極めて面倒くさがりな作者なのです。 「ユーザーのために」やっていることなど一つもなく、すべて自分のためにやっていることで、だからこそ無料にしているのです。苦労ばかり増えてきたと感ずるようになったときにはソフト公開の意味もないので、ユーザーの事情を考慮することなく、開発を中止するでしょう。

画像の管理については「カタログ」という独自の概念を持っており、サムネイルも一緒に保存されるため一度読み込んだフォルダを二回目以降表示する時にはかなり素早く表示される。最近はSSD等も普及しているが、このソフトが作られた当時はかなり遅いHDDやフロッピーのみであり、素早く立ち上がり画像を素早く読み込めるこのソフトはかなり重宝された。(2000年当時はフロッピー全盛期、USBメモリ6MBとかそういう時代)画像の管理に特化した独特のUIも特徴であり、Windows公式のエクスプローラでもVistaからこのような形式になりつつあるが、ViXにはかなわない。
もちろんこのソフトは完全フリーソフトであり、Windows 10でも保証対象外ではあるが動く。しかしいくつか問題があり、既に公式サイトは閉鎖され作者と連絡が取れない状態となっている点、またこのソフトには脆弱性があり使用中止勧告が出ているという点だ。本来脆弱性は事前に作者に連絡が行き正式公表前にこっそり修正されるのが通例であるが、脆弱性の管理団体が作者との連絡を試みたが5年以上連絡が取れないため脆弱性の発表に至ったという。脆弱性の問題を考慮しあえてダウンロードリンクはここには記載しないので、各自でググって自己責任でダウンロードしてもらいたい。

ViX実行中。全ての機能が動く保証はないが、Windows 10でもフォルダ部分のホイールが効かないぐらいで基本機能の動作に大きな問題はない。それぞれの画像サムネイルをダブルクリックすると画像単体のウインドウが開き、別形式での保存等が可能だ。画像編集ソフトではないので落書きする、文字を追加する、ボカシを掛けるなどの編集機能は持っていない。単純にフォルダ内の多数の画像を管理するソフトでしかない。操作等で分からない点があってもヘルプが充実しているのでそうそう困る事はないだろう。

ViXで便利なのが画像を複数選択からの一括変換機能だ。例えばフォルダ内のPNGを全てJPEGに変換とか、サイズ変更などといった操作を一発でできる。OKを押すと連続で変換を開始し、100枚の画像変換をマシン性能にもよるが、たったの10秒程度で終わらせてしまう点で大きな時短に繋がるのは間違いない。ファイル名のルールや同名ファイルがあった時の対応も指定でき本当に痒い所に手が届くソフトである。この機能のためだけにViXを使っているユーザーも多いかもしれない。

Windows環境では、コンピュータの部品構成や同時に動かすソフトウェアにも膨大な数の組み合わせがあり、あらゆる環境において動作テストを行い、正常動作を保証することも現実的には不可能です。そこで使用条件において、免責、無保証を定めているわけです。この条件に同意できない場合は、ViXを使用しないでください。

というようにreadme.txtの中で作者はサポートしないと言い切っているので、どんなWindowsのどんなバージョンであっても一切サポートしない、ファイルが消えてもデータが消えても完全自己責任という事であるが、これらに了承できる人は是非試してみて頂きたい。