女性専用車両ディス報道 JR東に聞いてみた

女性専用車両については鉄道各社が様々な形で運用しているところであるが、反対派の男性が乗り込んで大騒ぎになったり、先日も出て行けコールが報道されたりといつの時代も賛否両論が渦巻く制度の一つとなっている。女性が全員専用車両に乗るならいいがそうではないから反対、男性は女性専用車両に乗れないからその分混雑が増長する原因となる、鉄道会社の女性優遇だ、あくまで客の任意協力によるもので法律で義務づけられていない、それならば男性専用車も作るべきという意見など様々である。「ヒールで踏まれた」や「香水が匂う」など女性専用車両特有の醜い争いのようなディス報道がされていたが、社会問題になり多くの鉄道会社で導入されてから20年以上経つが結果の検証をしておらず継続ありきはおかしいという意見もあるわけで、その辺を鉄道会社はどう考えているのか。実際にJR東に聞いてみた。

弊社では、車内の迷惑行為等を防止するために、これまでも車内放送やポスターによる呼びかけを行うことで車内秩序の維持に努めてまいりましたが、実際に痴漢の被害にあわれたお困りのお客さまがいることや、お客さまからのご要望もあることから、安心して車内をご利用いただくために、これまで埼京線、中央線(快速)、常磐線各駅停車(地下鉄千代田線直通)、総武線各駅停車、京浜東北線・根岸線に女性専用車を導入いたしました。

迷惑行為の防止につきましては、引き続きポスター、放送での呼びかけや鉄道警察隊の協力等を仰ぎながら対策を講じるとともに、車内の混雑緩和等様々な方法で防止に努めてまいります。

また、男性専用車両等、専用車両の設定につきましては、列車内混雑率・ホーム混雑率・ホーム上の幅や階段エスカレータ等の設備によるお客さまの流動条件等、様々な項目の検討を行う必要があり、また専用車両をご利用頂けないお客さまに一方的な制約を強いる側面もあることから、お客さまの十分なご理解を得る必要がございますことから、現時点では女性専用車両以外の専用車両を導入するという判断にまでは至っていないのが実情でございます。

という回答が返ってきた。性同一性障害など「体は男、心は女」「体は女、心は男」などといった人はどうするのかという質問については、以下のように回答した。

性同一性障害のお客さまの女性専用車のご利用については、個人によりご事情は様々であると認識しており、お話を伺ったうえで、個別にご対応させていただいております。また他のお客さまにもご理解いただけるよう、状況によりご事情をご説明させていただきます。何卒ご理解賜りますようお願い申し上げます。

男性専用車両は検討していないという答えであったが、おそらくどの鉄道会社に聞いても同じような答えを返すだろう。最近は「どっちでもいい」とか「乗らない」という女性も増えてきているわけで、一番怖いのは継続ありきで結果を検証せずなあなあで続けていくことだ。ただ継続する、ただやめるなど結論ありきの判断は思考停止であり、毎年アンケートを取って追跡調査してラッシュや混雑への影響等を踏まえ結果を十分に検証した上で必要無いと判断されれば段階的に廃止や縮小していくなど時代に合った制度に変えていく必要があるだろう。