利用客1日300人…新幹線の秘境駅が群馬にあった!

新幹線といえば乗った事がある人が殆どだと思うが、一方で殆ど利用されていない北陸新幹線の駅が群馬にある。もともと一番客の少ない新幹線の駅に行こうと考えていたが、JR東が提供する乗車人員によればいわて沼宮内駅という事でさすがに遠すぎるので断念、二番目を選んだというわけだ。駅名は安中榛名駅(あんなかはるな)であり、まるで人名のようであるが人名ではない。この駅の平均乗車人員は一日300人。東京駅が一日約8万人の利用であるから東京駅に比べて0.5%の利用率の駅とはどういうものなのか、実際に行ってみた。

渋滞の高崎市街地から山の上を上がっていくとこの駅がある。あまりに交通量が少ない一方でマナーの悪い人は住んでおらず駅に向かう人は急いでいるという部分も踏まえ、環状交差点になっていてお互い譲り合って利用せよと言う事になっている。信号機は設置されているものの24時間消灯しており機能していない。見ての通り、駅前には何もない。高層ビルもなければホテルもマンションもコンビニもない、タクシーもいない。無料の駐車場があるだけ。新幹線の駅前がこれだから皆ビックリの光景だろう。ただ人っ子一人いないと書こうとしたが、撮ったのは午前10時であるが2,3人客がいた。けれどもたったの2,3人である。

この駅はもともとグンマー帝国(群馬県)が「県内に新幹線駅作らなければ金は出さん」という事で、JRが平成9年に渋々折れて作った駅だ。JRも本音を言わせればこんなへんぴな場所に駅を作りたくはなかっただろうが、これで事業が進むなら安い物と思って作ったのだろう。新幹線駅だけあって、見た目というか外観はかなり金を掛けて立派に作っている。新幹線のみの駅で在来線は存在しない。

中に入ってみると田舎の小さな在来線の駅という作り方をしていて、外観とは裏腹にいかにも新幹線の駅とは思えない印象だ。何もないと思われたくない為か、無理矢理パンフレットを沢山置いている感じが、余計にそれを彷彿とさせる。現在自動改札機は2機のようであるが、スペース的には10機ぐらい置けそうなスペースはある。将来客が増えたら改札機や通路を増やせるスペースとしているのだろう。ダイヤを見ると新幹線は一時間に一本。客数の少ない在来線と同じぐらいの本数だ。

駅構内にはそば屋と冷暖房完備の無料の待合室がある。大きな駅では改札を通らないとこのような待合室は提供されないが、改札の外に置いてあるので便利だ。早速入場券を買って中に入ってみた。

利用客が少なく予算が割かれない為か駅名標を含めて構造物等の劣化が目立っているが、利用客の少ない駅の宿命と言えるだろう。平成9年といえばバブル崩壊後であるが、まだバブルの感覚が残っているのか、なんだかその頃を思わせるデザインの構造物が多々残っている。

将来客が増えるのを見越してか、修学旅行生など多くの客の待機スペースを確保する為か理由は不明であるが、だだっ広い空間が確保されている場所が多数あった。待避線がないという理由で全てホームドアが設置されている。

しかし、駅の周りにはポツポツと一軒家が建っていて工事をしている家もあった。ここから東京に通勤している人も何人かいるらしい。しかし人の気配は少なく軽井沢と同じ気配を感じた。つまり投資対象としてストックしておくという事で本当の家は別にあって、ここは投資対象として数十年後大化けする可能性があるから先に土地押さえて家を建てておこうという考えの資産家もいるかもしれない。「秘境」という言葉がまさに似合う新幹線の駅であり、「もののけ駅」「妖怪が出そうだ」と揶揄されるのも無理はない。秘境に興味がある人はぜひ行ってみてもらいたい。