コンビニ 揚げ物・おでん・中華まん廃止論渦巻く

セブンの「おでん発注強要」という報道を皮切りに、「夏におでんや中華まんはおかしい」「暑いのにおでんやってるのは本部指示か」「暑いのに誰が買うのか?」「廃棄は全額店負担」「フードロスと逆行」などとして、世論を中心に揚げ物やおでん、中華まんなどのファストフード(FF)を廃止しようとする動きが目立ってきている。コンビニの実店舗でも今年のおでん展開率はかなり低く、本部も口出ししなくなったようだ。それもそのはず、国の公式文書となるコンビニのあり方検討会で最初にオーナーが述べた言葉でも「ファストフードは赤字」という言葉が躍っているからだ。
本来ファストフードを正式に提供するならば、一品500円や1,000円ぐらい取らないと割に合わない。すき家やマックなどが300円程度のメニューから1,000円以上のメニューを揃えているのはそれが理由だ。一方、コンビニのファストフードはどれも150円程度であるが、作るのには5分程度かかる。つまり時給1,000円換算で83円かかるのだ。4個作って600円だとしても廃棄になればすべて損なのはもちろんだが、2個売れて300円だとしても店に入るのは30円程度だから大赤字、出血大サービスという話はごもっともだろう。日々の清掃費などを入れるとさらに赤字幅は広がる。少なくともファストフードを継続的に展開するならば売価を今の2倍以上にする必要がある。

店にとっては赤字の商材だが、本部にとっては儲かってしょうがない。なぜなら包材やつまようじなどもほとんど店負担で仕入れているからだ。そして廃棄になっても本部はほとんど痛まない。ファミマではあらかじめパックで並べておいて客が買えばレンジで温める「レンジアップおでん」の提供、ミニストップでは利益率が悪く廃棄の温床にしかならないファストフードを全面廃止した実験店を都内にオープンするなど、各チェーンでフードロスへの取り組みが進んでいる。FFの廃棄額は店にもよるが、おおむね全廃棄の半分程度、売価で月20万以上に上り大きな割合を占めているのは事実だ。昔のコンビニの看板的象徴とされたファストフードが消える日も近いのかもしれない。