「逝っとけダイヤ」「UST」京急の魅力とは

報道機関を中心に京急を叩く動きが一部にあるが、それをかき消すほど沿線住民の愛ある書き込みが多い。世論は「京急は悪くない」「京急がなくなったら困る。感謝している」「再開してくれてうれしい」など温かい声が多い。なぜ京急は愛されているのか理由をまとめてみた。

・手動運用
多くの鉄道会社は自動で運用しているが、京急はいまだに手動での指令対応を行っている。「関東の関西私鉄」と呼ばれるゆえんだ。自動運用は安定しているときは楽でよいが、イレギュラー発生時は使い物にならなくなる。手動指令によりイレギュラー発生時でも柔軟に運用できるのだ。
箱根駅伝の際にはランナーも止めず電車も止めない、ランナーの秒数をテレビで得て隙間で電車を走らせ、ランナーが走れば応援する運輸指令の姿があった。現在は踏み切り高架化によりもうこの光景は見られない。
・逝っとけダイヤ
人身事故等が起きたとき他の鉄道会社であれば速やかに運行停止して大規模な遅れを発生させるが、京急は電車をなるべく行けるところまで動かすという独自の運用を行っている。車内でいきなり「行き先が変更になる場合があります」などというアナウンスがあれば逝っとけ発動だ。「当駅どまりにしまーす」といった瞬間客が出ていくのはまさに客もプロ。指令との連絡もあえて客に聞こえるようにしている。路面電車時代からの名残と言われている。
・障害物は運転士が撤去
他社だと救援車両や救援部隊が来て撤去の形を取るが、京急は軽い障害物であれば運転士が撤去する。これにより遅延を最小限にできる。
・先頭を電動車にすることで事故軽減
「120km/hで走るのは危険ではないか」という声も当然あるが、設計上は130km/hで設計しており安全のため10km/h落としているのだ。当然それ相応の安全対策もしている。先頭を電動車にすることで衝突時も転覆することがほとんどなくなるとしている。また乗り入れてくる他社車両に対しても先頭電動車を乗り入れの条件としているぐらいこだわりが強い。実際今回の事故でも乗客死者は一人も発生させていない。
・UST
「客を動かさず電車を動かす」という京急の精神がまさに体現されたものだ。通常折り返しやホーム変更は留置線などを使って行うが、列車をバックさせて再度発進、ポイントを駆使して本線の一部を使って入れ替えを行うもので衝突しないように本線側の列車を止めさせるほどだ。イレギュラー時に発動することが多いが、最近は発動頻度が減っているといわれている。

これらの独自の取り組みにより普段から遅延が少ないだけではなくイレギュラー発生時やJRから振替を頼まれた時でも柔軟な対応が可能なのだ。その取り組みは数値にも表れており、並走する京浜東北線が遅延率85%に対して10%とかなり低い遅延率を実現している。高い安全性と信頼性が評価され国交省から「日本鉄道賞」として表彰も受けている。確かに京急側も今後の対策は必要なのかもしれないが単純に120がどうこうなどと揚げ足を取るのではなく、マスコミも総合的に報道する事が求められる。