YouTubeで蔓延するタイトル詐欺

YouTubeも広告に大手企業のCMが流れ始めるなど、次世代のテレビ・社会のインフラとして認知されつつあるが、
現在課題となっているのはユーザーを騙す動画の存在だ。
数年前は秩序が保たれていた気がするが、スマホの普及・収益ビジネス(YouTuber)の普及によって、一気に崩れ去ってしまった。

YouTubeの広告収入は概ね視聴回数と比例するため、視聴回数を稼げれば何でもいいというのが実態だ。
テレビに例えれば、深夜のころはいい番組が、ゴールデンに移行すると視聴率稼ぎしか考えなくなりクソになるのと同じ話。
例えば今横行しているのはユーザー名を「視聴回数 1,000,000 回」というものにしてクリックを煽ったり、サムネイル画像をコンテンツと関係ないものにしたり(※個人的にサムネイル画像変更機能は失敗だと思う)、タイトルを視聴回数の多い動画と同じ物にするなど。
「○×してみた」といっても実際はわいわい騒いで終わっただけで目的を果たしていない動画なども。
確かにタイトル付けは自由だけど、「○×してみた」と言っているのだから、それをしないとわざわざ時間を割いてくれているユーザーに失礼だろう。できなかったのなら「○×したけどできなかった」というタイトルにすればいい。

偽動画の中身としては、コンテンツと全く関係の無い動画であったり、文字がスクロールするだけの動画、写真だけの動画、など。最初は目当ての動画が再生されるが、その後無関係なコンテンツに変わる動画もある。たとえば「【必見】動物園のかわいい猿」というタイトルでも、開いてみるとニュースのスクロール動画、なんていうことが今普通に起きているのである。
これではユーザーが本当に見たい動画は見られないし、問題解決にはつながらない。
低評価をつけて仮に削除されたとしても、次から次にコピペ動画が投稿されているので、次調べる頃にはまた偽動画を閲覧してしまうという格好だ。動画は実は外部のwebサービス等を利用すると簡単にファイルとしてダウンロードできてしまうのである。それらのwebサービスはあくまで個人で閲覧する体としてサービスを提供しているが、目的外に使うユーザーも多い。例えばそれを再度アップロードすれば他人のふんどしで視聴回数を稼げるわけである。これらは「転載」としてよく批判の的となるが、そのネチケットすら理解していないユーザーも多い。

Webページ等と異なり、コンテンツの中身は動画であるため関連性の順位付け、つまりWebと同じような順位付けアルゴリズムの適用が難しいのもあるだろう。ドメイン名、キーワード発現数、被リンク、発リンクといった概念は動画サービスにはないからだ。動画サイトでの検索で重要視されるのは「タイトル」と「視聴回数」これだけだ。ぶっちゃけタイトルが7割8割強を占めるだろう。
新規ユーザーの制限を強化する(1ヶ月間、動画アップロードは1日1個まで)、一番最初にそのコンテンツを公開した動画を重視する、評価を順位付けの参考にするなど、Googleも新たな手を打つ必要があるだろう。明らかに収益目的という動画は、Googleにとってもユーザーにとってもよいものをもたらさないから、そのうち排除されるだろう。
YouTuberの存在自体は否定しないが、共有サービスを無料で使っているのならもう少しネットの発展に貢献する、ユーザーのためになるコンテンツを公開すべきだ、というのが私の持論である。わいわい騒ぐ動画だけなら、共有サービスにする必要は無くて自社サイトを立ち上げてそこからストリーミングすればよい。

もちろん良質な動画もたくさんあるが、低質な動画によってそれらを探すのに時間がかかるようになってしまった。
Webサイトも同じようなことが言われているが、動画と異なり構築(アップロード)が難しく、ドメインやサーバーなど維持費もかかるため、金儲けしか考えない安直な人間は動画ビジネスに移ったと考えるのが妥当だろう。アカウントさえ作って動画を上げるだけで簡単ですからね。
Webの世界はニコニコ動画ができたころ(2006年)から見てきたが、この10年で良質なコンテンツに当たる確率が減ったなと体感している。昔は「ふーん」「そっかー」で許されてきたことが、アレをやると炎上、これをやると炎上と窮屈な時代になったとも感じている。
Googleは最近、キュレーションサイト排除のためにランキングアルゴリズムを考え直すと発表したが、YouTubeの検索アルゴリズムもかなりテコ入れする必要があるだろう。これから高速大容量通信の時代、ハードもスマホがあり十分動画が見られる時代。文字ではなく動画から情報を得ようとするユーザーが増えるのは明らかである。
テレビの時代が終わり、新しいYouTubeの時代が始まる。YouTubeとツイッターを駆使した双方向通信社会の時代が始まる。
金儲け一辺倒ではなく、良質な情報を発信するユーザーがもっと評価される社会になってほしいと切に願う。

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