高校生でも分かる労働法のいろは15項目

労働法について解説しているページは多いですが、高校生にもわかるようにかみ砕いたページがないので、制作しました。
高校生と書きましたが、大学生や専門学生等労働に関する知識のない学生を主な対象としています。

このページでは、店でよくある例を挙げ、なぜ禁止なのかを説明するスタイルになっています。
当てはまる場合は店長等に「違法ですよ!」と教えてあげてください。

×試用期間が終わって悪いこともしていないのに、明日から来なくていいといわれた
労働基準法 第20条違反(解雇の予告)
バイトを退職させるには通常、30日前の予告が必要です。
即日で辞めさせる場合には、厳密には30日分の金を払えばクビにできますが、そういうことをする経営者がそんな金あるとは思えませんので違法にしました。
※バイト先の事を高校や親に知らせておらずバレた、まかないを友達に売っていてバレた、遅刻・欠勤があまりにも多い、金や物を盗んだなどの場合は労働者に非があるので即日クビもあり得ます

×辞めるなと言われた、辞めると言ったら2週間は働け、1ヶ月働けといわれた
民法 第627条違反
退職は申し入れ後、2週間をもって自動的に終了するので、店長に辞めるなと言う権利は一切ありません。労働者にはいつでも、辞める権利があります。2週間はわかりますが1ヶ月は無効です。
また、やむを得ない事由(精神的に働けなくなった、親の介護が必要になった、葬式など)の場合は、この規定にかかわらず民法第628条によって即日退職できます。
その際損害賠償もあり得るとのことですが、バイトごときに損害賠償をする事はまずありません。するとしたら窃盗してバックレで残額請求等、犯罪に関わることぐらいでしょう。

×シフトを急に週5から週1にされた
労働基準法 第3条違反(均等待遇)
高校生だからなど、信条や身分を理由として、差別的な取り扱いはできません。高校生は一般より時給が低い場合も多いですが、本来は違法です。
また女性だからといって時給に差を付けるのも禁止です。
仕事ができないからと言っても、それを客観的に証明できるほどではないと、できません。
(例えば次の時間帯の仕事の取りかかりが1時間遅れる、毎回1時間遅刻してくる、欠勤が多いなど)
雇ったからには、使用者はある程度の生活の保障はしつつも、その向上に努めるべきです。

×休憩を除いた勤務時間が1日8時間を超えている
×1週間の労働時間が40時間を超えている
労働基準法 第32条違反(労働時間)
長時間労働はアルバイトの仕事ではありませんので、やる必要はありません。
8時間を超える9時間や10時間のシフトは、断って当然です。
たとえ年末年始だろうとGWだろうと土日だろうと「キミしかいない」なんて甘い言葉をかけられても、断ってください。
なお、店長は労基法適用対象外なので際限なく働いて良いということになっています。(一応)

×勤務時間が1分ごとに支給されず、15分ごとに支給される
労働基準法 第24条違反(全額払いの原則)
法律の中に具体的な文言はありませんが、労働時間の全額を支払うことと明記されており、当然1分単位で支払うのが原則です。
塾では自宅での予習が支払われない、前後の準備時間が支払われない、コンビニでは15分単位で切り捨てされる(9:50に入店しても10:00扱い)など、違法状態が蔓延しています。
残業をしていたのにタイムカードを00分で切れ、といわれた場合も違法です。
セブンイレブンの15分単位は国会でも取り上げられ厚労相が違法と断言しましたが、改善されているのでしょうか。

× 休憩が取れていない
労働基準法 第34条違反(休憩)
拘束時間が6時間を超える場合は45分の休憩、8時間を超える場合は1時間の休憩が必要です。
逆に言えば、10時間でも11時間でも1時間の休憩を取れば法律上問題はありません。
また、休憩を取れていても10分や20分など法律の要件を満たさない場合は違法で、客が並んだらレジをしなければいけない状況は、休憩とは言えません。
家に帰ってもいい、外出してもいい状況が、休憩です。

×トレーニング中だからといって、時給700円で働かされた
労働基準法 第28条違反(最低賃金)
いわゆる時給ですが、各都道府県ごとに最低の基準が定められており、それ未満は禁止です。
たとえ高校生やトレーニング中、研修中、入りたてだからといってもダメです。
最低賃金違反は労基(労働に関する警察的な役目を担っている組織)に通報すると、最優先で対処される案件です。

×週に1回の休みが取れていない
労働基準法 第35条違反(休日)
休日は、週に1回もしくは、4週間で4日とらなければいけません。休日とは全く勤務がないことを指し、1時間でも2時間でも入っていたらその日は休みではありません。
この規定は同じ経営者の場合は店が違っていても適用されます。
ですが、AチェーンとBチェーンの掛け持ちなど、経営者が違う場合は考慮されません。自分でシフトを調整して過剰な勤務にならないようにする必要があります。

×深夜(22~5時)に働いたのに、割増賃金が付いていない
労働基準法 第37条違反(時間外、休日及び深夜の割増賃金)
高校生が深夜に働くことは法律で禁止されていますが、例えば退勤時刻が22時4分だった場合は、厳密には違法ですが、行政も数分程度であれば目をつぶっているのが現状です。
その場合、25%の割増賃金がつくのですが22時ちょうどなどとカットしていたり割増ではない時給で計算していたりすると、違法になります。
これは例えば時給800円なら1.25倍、つまり1,000円が追加でもらえるわけではなくて、時給が1,000円になる、つまり25%分の200円が割増になるというだけで、それほど大きな額ではありません。

× 給与明細をこれまで一度ももらっていない
所得税法 第231条違反
労働基準法的には違法ではありませんが、金を受け渡したという証明書類が必要となりますので所得税法違反です。
コンピュータで管理しているといっても、それを従業員が見られる状態にしていないとダメです。

×制服代を給与から引かれた
労働基準法 第17条違反(前借金相殺の禁止)
制服等で債権(借り)がある場合に、それを同意なく給与から差し引くことは禁止です。
ほとんどの会社は、まず制服等を実費で買ってもらい、その後給与を全額支給します。

× レジの違算負担をさせられる(1円でもアウト)
×クリスマスケーキや恵方巻き、ギフト等の自爆買いをさせられる
×落とした商品や壊した商品は買い取って頂きます
×シフト決定後の休みは罰金、遅刻したら罰金(ペナルティ)、ノルマ達成できないと罰金
労働基準法 第16条違反(賠償予定の禁止)
労働基準法 第91条違反(制裁規定の制限)

第16条は、労働の定めにもとづいて労働したのに発生したミス等で、「賠償しろ」という命令を禁止しています。
自分から「賠償します」というのは自由ですので、よく役人が給与返上しているのはそれです。
あらかじめ誓約書や契約書があった場合は別ですが、バイトごときにそんなことをさせる人はいないと思います。
風邪で休んでペナルティも、バイトを使う以上は休まれるのは織り込み済みですから、人を探すのも見つけるのも経営者の責任です。バイトに責任はありません。口頭指導まではよいとしても、ペナルティは違法です。
※ペナルティに関しては、双方が同意していれば減給と捉えることもできますが、その場合でも「平均賃金の一日分の半額を超え、総額が一賃金支払い期における十分の一を超えてはならない」となっています。
つまり一日4,000円もらえる夕勤の場合は、2,000円を超えるペナルティは無効だし、もしその人が月に3万円稼いでいたとしても、総額が月3,000円を超えるペナルティは無効です。さらにそのペナルティは、賃金全額払いの原則から、給料日の後に本人が自主的に返納する形にしなければいけません。

2017年1月に病欠で罰金を科せられた事件がありましたが、ついにヤフートップに掲載される時代になりました。コンビニの闇が公に明らかになることは非常に嬉しいです。
また、普通の人はそんなもの壊さないでしょという物を壊した場合やわざと壊した場合やわざと金を盗んだ場合は、除外となる場合もあります。

× 法律に違反する店独自の誓約書を書かされた
労働基準法 第13条違反(この法律違反の契約)
休憩は一律30分とします、休んだらペナルティを払ってもらいますというような法違反の同意書、誓約書のたぐいがあったとしても、その部分の労働契約は無効となります。
同意書類を書かされたからといって泣き寝入りすることはありません。

× 有給のことを説明してくれなかった
労働基準法 第39条違反(年次有給休暇)
働く全ての人は、条件を満たすと年次有給休暇というお金だけもらって休める制度が法律で義務づけられています。
学生でもパートでもアルバイトでも申請できます。年齢制限もありません。
週5で働く場合、半年勤務で10日取得できます。(週4なら7、週3なら5、週2なら3、週1なら1日です)
ただし、契約日数の8割以上の出勤が条件となりますので、風邪・体調不良や用事、学園祭、テスト等で長期で休み、それを下回った場合は有休はもらえません。
必ず長期間休む場合は自分の有給日数を確認し、有給として休んだ方が得です。有給として使うとその日は出勤扱いとなる為、なくなることはありません。

×仕事中、または通勤中にケガをしたのに治療費を出してくれなかった
労働基準法 第75条違反(療養補償)
仕事中、又は仕事の通勤中等にケガをした場合は、使用者は治療費等を支払う義務が生じます。
社会保険に入っていないアルバイト等も対象です。これは、仕事中にケガをさせない管理責任はもちろんのこと、
通勤中に事故をしないよう適正な労務管理をする管理責任も問われているからです。
火を扱う・高いところの作業・重量物の作業(ウォークイン、ジュースの持ち運び等)など、危ない仕事を頼まれても、断るのが無難でしょう。大人がやれば良いことです。
労災を申請して同額の支給が見込まれる場合は、この療養補償や休業補償はもらえません。

×店舗改装中も無給だった
×自動車突っ込み、強盗等で精神的なケガを負って休んだのに無給だった
労働基準法 第26条違反(休業手当)
労働基準法 第76条違反(休業補償)

休業手当とは、会社の都合で働けなくなった場合に6割の給与支給を定める制度です。
店舗改装は会社の都合です。また、自動車の突っ込みや強盗等も管理者の責任が問われます(管理者常駐など必要な対策をしていなかった)ので、該当します。
※労働者に重大な過失があった場合は休業補償を行わなくてもよいとされていますが、ほぼ当てはまることはないでしょう

 

このように労働者を守る様々な決まりが定義されています。
自分のバイト先がどうなっているか調べ、違法だった場合は店長に提案、それでも直らない場合は親に労基に相談するようにいっておきましょう。
一応ネットからも通報できるようになっていますが、労基での対面相談よりは優先度が低いそうです。
資金に余裕がなく若者をこき使う悪質なブラック企業はどんどん通報して、淘汰していきましょう!!

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