iPhoneは爆薬だった

iPhoneというスマートフォンが日本でAppleのノルマやかなりの販促費を掛けて売り出され、一般市民に浸透したわけであるが、(日本ではだいたいのものはTVCMを出せば売れる)
「0円0円」「今はスマホの時代」なんて言われたら、ガラケーから乗り換えたくなるユーザーも多いだろう。今では0円は禁止されたが、実質40円とか80円とかそんな感じで、実質激安で端末を買うことができる。
スマートフォンが音楽番組を終わらせたという記事があったので、それを踏まえて話をしていきたい。

はじめはiOSがほとんどのシェアを握っていたが、今ではAndroidがシェアを逆転。スティーブ・ジョブズの逝去以来、魅力的な製品を生み出せていないAppleは窮地に立たされている。
スマートフォンも広く一般市民に普及し、今や会社・電車の中・街中でスマートフォンを使っていない人を見かけない。ガラケーがあるとしたら業務や一部のコレクターのみである。

そしてこのように普及したスマートフォンであるが、「小型PC」と言われるように、殆どの機能が凝縮されている。写真や動画の撮影はもちろん、それを編集し、保存することもできる。サーバーのファイルを編集したり、名前の変更もできる。オフィス文書の閲覧・編集や画像の加工もできる。
Bluetoothでマウスやキーボードを接続し、操作性の向上を図ることもできる。
ガラケー時代はキャリアが機能を制限し、アプリの開発も独自仕様でPCで使われているソフトウェアの移植は皆無だった。
「パソコンは嫌いだけど携帯はほしい」という日本人のパソコン嫌いにちょうどマッチしたデバイスなのである。

私がスマホに乗り換えて初めてやったことは、
・YouTubeを見る
  あれだけ大きな画面で高精細な動画を閲覧できることは感動であった
・マップを見る
  ガラケーでは不可能だった縮小、拡大操作や不安定だったGPSの即位もスムーズで、ナビもできる。
スマホの先駆けとよばれる2012年に乗り換えたが、4年でインフラのように普及したのは、キャリアが何億何兆単位で販促費を投入したからに他ならない。
当時は「動きが遅い」「ガラケーに戻る」なんていった意見も聞かれたが、スマホ自体も性能が向上し、ノートPC並のスペックを持っていることは殆どの人が知らない。

ガラケー時代には到底考えられないような、新しいビジネスが考え出され、それは当然として旧態のビジネスを縮小させることになるのである。

新しいビジネスとは、今目の前にいる人間を映して動画を投稿したり、生中継を行うしくみだ。
カメラが内蔵されているのでWebカメラを買う必要が無く、敷居が低い。(USBとか面倒な規格を考えなくて済む)そしてパソコンを用意する必要も無いし、ブラウザとか考える必要もない。
また、登録などの必要も無く、無料で簡単に動画をアップロードできるため、日常のちょっとした動画を増やすことに成功した。
つまりこれは従来オーディションを受けてテレビ番組に出る、という仕組みそのものだ。
「笑っていいとも」「ごきげんよう」などの長寿番組が終了した今、テレビ局はYouTubeなどの動画投稿サービスに打って変わられているという現実に気づくべきである。

これだけなら従来からあったのだが、これに「収益モデル」を付加し、あなたの動画に広告をつけると儲かりますよ、と言いだしたのである。つい数年前の話。
これに若者が飛びついた。スマホで撮影すれば儲かる。
そうした途端、動画コンテンツが中身のないものになり、当然今行われているスマートフォンユーザーによる動画投稿や生中継も中身の無いものが殆どであり、その多くは広告費を稼ぐことが目的だろう。
どう中身がないかというと、ただニュース原稿を合成音声で読み上げるだけの動画・使ってみました楽しかったです、というブログ感覚の動画・ゲーム実況の動画、などである。
そこそこ有名になると、月何十万と稼ぐことも可能らしい。
稼ぎ方は人それぞれだと言われればそれまでだが、果たしてこれが動画投稿サイトの望む姿なのか。ちょっと違う気がする。

アーティストのプロモーションも、今や完全にYouTubeに移行した。
ニコニコ動画もあるが、全世界に発信できるインフラという点ではまだ弱い。日本国内限定でゲームに特化したというイメージがまだ根強い。
一昔前はPVは1分弱で終了し、あとは音楽を買ってね、というスタイルだったのだが、AKBがPVをフルで制作し「恋のフォーチュンクッキー」あたりから、フルで音楽を聴いてもらって納得して買って頂く、というスタイルが多くのアーティストに定着した。
Perfumeは昔からこの未来を予測していたのか、音楽業界ではタブーと言われたYouTubeに凝ったフルPVをアップし、常識を変えた。今では国民的アーティストと言われるほど成長している。
こうした中で、TV音楽番組では尺の関係でフルで歌えなかったり、スタジオのセットも大がかりなものは難しかったりするが、自分で作れば好きなようにできる。
そして、YouTubeという大きなプラットフォームにアップロードすれば、放送時間に関係なくいつでもどこでもみんなに見てもらえる。
TwitterやFacebook、LINEなどといったコミュニティを通して、存在が広まる。
完全に音楽番組がなくても今のアーティストは困らない、むしろYouTubeの方がメリットが大きい、というのが結論である。

動画サイト自体はPCの時代からあったが、動画編集ソフトも含め敷居が高く、玄人向けだった物を、スマートフォンがそれを変えた。広告収益モデルが構築され、TVを潰しにかかっているがこれにはコンテンツの質低下というデメリットもあり、今実際そうなっているが、異論を叫ぶ者は少ない。
「自撮り棒」などといわれる新しい撮影方法も広まり、街中で生中継がされていき、もうテレビ局はいらなくなるんじゃないかという所まで来ている。少し偏った番組を放送するとスポンサーが離れ、「電波停止」と言われ、テレビ局の肩身は苦しい状況だ。
インフラという点ではテレビもネットも同じだ。
ネットも電波だ、規制だという時代が来るのかもしれない。

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